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OLED市場規模は2020年に5800万ドル

August 2, 2011, Boston--ラクスリサーチ(Lux Research)は、有機EL(OLED)照明は並ぶもののない柔軟な形状により、安価で満足のいく照明を実現する可能性があるとしながらも、「この技術は現状では未成熟で高価である」と指摘している。
ラクスリサーチの調査レポートは、OLED照明のコストは今後10年で大幅に下落すると予測しているが、「この技術は他の照明技術と競合できる段階にはなく、市場規模は2020年で、5800万ドルに過ぎない」とも指摘している。
同社のOLED照明調査レポートは、OLED照明フィクスチャの展望を分析している。OLED照明コストは、現在の18ドル/ルーメンから、2020年までにはガラス基板で0.71ドル/ルーメン、フレキシブル基板で0.18ドル/ルーメンに落ちると予測。このように著しい改善は見られるものの、OLED照明コストは競合する光源に対してまだ立ち後れており、この点が普及の制限要因となっている。
ラクスリサーチのアナリスト、Jonathan Melnick氏は、「OLED照明の開発者はまだキラーアプリケーションを探している」と見ている。「問題は、OLED照明が現行の、また新規の代替技術に対して極めて高価であることだ。美的な価値があるとしてそれを使用するのはコストに無関心な市場だけだ」。
ラクスリサーチは、市場セグメント毎に詳細なモデルを作成し、ターゲット市場で可能性のあるOLEDアプリケーションを検討し、OLED照明市場予測を行っている。ラクスリサーチが挙げているのは、デザイナー照明、一般照明、ウエアラブル照明、自動車、航空機など。
デザイナー照明に関しては、「OLED照明の形状を利用できる」とラクスリサーチは指摘。OLEDはコスト的には白熱電球、蛍光灯、LEDと競合できないが、美観優先がコストを無視できるデザイナー照明では商機がある。特に、ハイエンドホテル、カジノ、高級バーやレストランなど、高価な器具を取り付けられるアプリケーションに適している。2015年に柔軟な(flexible)パネルが商用化されると、こうした市場では普及に弾みがつく。OLEDのデザイナー照明市場は2020年には3200万ドル規模にとどく。
OLEDの高コストが照明器具成長の制限要因となる。OLEDパネルメーカーは、照明器具デザイナーと戦略的に提携してこの市場を狙っており、ラクスリサーチはこの市場を、デザイナー照明に次いで大きな市場と見ている。予測では、2020年の市場規模は2200万ドル。OLEDランプのコストは、1個あたり数千ドルとなり、誰にでも手が出る価格ではない。
技術的には、フレキシブルOLED照明が今後10年間の後半で主流になる。2015年にフレキシブルOLED照明パネルが商用化されると、たちまちガラスパネルから市場シェアを奪い始める。さらに、コストが下がると予想されており、その柔軟性から独自のアプリケーションが生まれるので、フレキシブルOLED照明は次の10年の主流OLED技術となる。2020年、OLED照明市場は5800万ドルだが、そのうち63%をフレキシブル基板が占めるとラクスリサーチは予想している。
(詳細は、www.luxresearchinc.com)

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