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QDレーザ、200℃以上の高温対応1.3µm帯量子ドットレーザを開発

May 26, 2011, 東京--QDレーザと富士通研究所、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構(東京大学)は、大きさがナノメートル(nm)単位の半導体微粒子である量子ドットを利用した波長1.3µm帯の半導体レーザで、世界で初めて200℃以上での高温動作に成功した。この技術により、半導体レーザ適用範囲を拡大することが可能となり、石油やガス資源の探査など高温環境下でのセンシングへの応用が期待される。
近年、半導体レーザの利用範囲が光通信や光記録から産業のさまざまな分野に広がっていくにつれて、高温の環境下でも動作する半導体レーザが必要とされている。石油やガスなどの資源探査においては、地中深くまでドリルで掘り進み、そこに埋蔵されている物質が石油かどうかをセンシングして見分ける必要があるが、センシングに応用できる波長1.3μm帯の半導体レーザの最高動作温度は最高でも175℃にとどまっていた。
量子ドットを発光部に適用した半導体レーザである量子ドットレーザでは、従来の半導体レーザを凌駕する画期的な特性が実現されてきた。この量子ドットレーザを高温で動作させるためには、できるだけ多くの量子ドットをレーザ動作に寄与させることが必要であり、発光部に用いる量子ドットの密度と均一性を向上させることが課題となっていた。
今回、以下の2つの技術を開発することで200℃を越える高温でのレーザ動作を可能にした。

量子ドットの密度と均一性の向上
量子ドット結晶の作製技術の改良により、1平方センチメートルあたり600億個と高密度での量子ドットのばらつきを小さくして均一性を向上した。

量子ドットの多層化積層技術
高密度で高均一な量子ドットの層を8層まで積層することにより、波長1.3μmの半導体レーザの200℃以上の高温動作が可能となった。連続動作状態で最高220℃までのレーザ動作を確認しており、200℃でも2ミリワット以上の光出力が得られている。

量子ドットレーザの高温動作は、これまで半導体レーザが使えなかった苛酷な温度環境への半導体レーザの適用を可能とする。QDレーザでは、今回の成果をもとに高温200℃まで動作可能な半導体レーザの製品化を目指している。

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