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産総研、集積化全半導体超高速光ゲートスイッチ実現

April 27, 2011, つくば--産業技術総合研究所(産総研)ネットワークフォトニクス研究センター超高速光デバイス研究チーム 秋本良一主任研究員らは、新原理による光を使って光の位相を制御する超高速半導体全光位相変調素子をリン化インジウム(InP)基板上にモノリシック集積した超小型の半導体光ゲートスイッチ素子を開発した。
この光ゲートスイッチ素子を用いて160 Gbit/sの超高速光信号を40 Gbit/sの光信号に多重分離 (DEMUX)した。高精細動画像の同時送受信などができる超高速光送受信装置への応用が期待される。
産総研では、InGaAs/AlAsSbの半導体材料を用いた超薄膜量子井戸に生じるサブバンド間遷移(ISBT)を利用した超高速全光ゲートスイッチ素子の開発を進めている。2007年には情報通信研究機構と共同で、光によって光の位相を超高速制御できる全光位相変調効果というISBTに関連した現象を発見。この全光位相変調効果を光ゲートスイッチに応用して、スーパーハイビジョン(SHV)信号を送受信できる小型光送受信装置の開発を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発」(2007年度~2011年度)のなかで行った。
今回、半導体の微細加工技術によりISBTによる全光位相変調効果をもつ光導波路と干渉計を構成する光回路をInP基板上に集積化して、全半導体光ゲートスイッチ素子を作製することにはじめて成功した。素子の面積は、1x0.3 mm2で、以前に開発した空間光学系の光ゲートスイッチモジュールの干渉計部の面積(10 cm2)に比べて1/10000以下に小型化した。また、多数の光ゲートスイッチ素子を含むウエハを、ドライエッチング法で1回加工するだけで集積化できるため経済性に優れている。レーザ光源、光増幅器、受光器などの集積化も可能であり、高度な機能をもつ光デバイスへの展開も期待できる。
今後の開発について産総研は、光ゲートスイッチの集積度を上げること、パルス光源、光増幅器、受光器、電子回路を集積化する技術を実現するとしている。これらの要素技術を開発しつつ、最終的は高精細動画像の160 Gbit/s、さらに高速の光信号を遅延なく送受信できる超高速光送受信装置の実現することが目標となっている。
今回の成果の詳細は、米国メリーランド州ボルチモア市で開催されるConference on Lasers and Electro-Optics(CLEO2011)において5月3日に発表する予定。
(詳細は、www.aist.go.jp)

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