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トリプトファン蛍光による早期白内障診断実験

April 26, 2011, UK--Royal Society Interface誌の最近の論文でエディンブルグインストゥルメント(EI)とNHS Princss Alexandra Eye Pavilion、ヘリオットワット大学(Heriot-Watt University)は共同でトリプトファン蛍光(TF)に基づいて早期白内障の診断実験結果を発表している。
世界保健機関(WHO)によると、白内障は世界中で約1700万人の盲目の主因となっており、米国だけでも年間130万人が白内障の手術を行っている。
現在、白内障発見はレイリ光散乱によるレンズ混濁の主観的観察に基づいている。構造欠陥は、400~600nmの光波長に匹敵するので、この散乱法ではその限界により、タンパク質レベルの詳細は分からない。そのため、分子レベルの構造的変化をこれらの方法で発見することはできない。
TFは生物物理学の研究ではタンパク質の変化のモニタリング用に広く用いられており、異なる極性の微小環境における発光スペクトラムシフトによってタンパク質折り畳み、配置、凝集を発見している。
UV照射によって豚の目のレンズに人工的に白内障を起こし、TFがレンズ構造の早期変化のモニタリングに感度のよい方法であることを実験的に示した。これは標準的なスリットランプ法ではモニタできない。スペクトルの計測は、EI FLS920分光計を用いた。1㎝の水晶キュベットをリン酸緩衝液内で22℃に温度制御し、この温度は組織が生存する16時間以上にわたり一定に保たれた。
この発見を利用することにより、深刻な障害、光散乱、凝集、視覚障害が起こる前にレンズの変化を発見、診断、モニタすることができる臨床的に有効な高感度ツールを開発することができる。不可逆な結晶タンパクの変化が外科的介入の契機となる前のポイントをこの方法で特定することができると考えられる。また、薬物治療の可能性をより正確にスクリーニングする方法としても使えそうだ。
この方法の臨床応用により、糖尿病のような代謝異常の初期段階の診断もできるので、慢性障害への発展を遅らせる予防治療にも適用できる。
(詳細は、http://rsif.royalsocietypublishing.org/)

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