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NEC、シリコンフォトニクスを利用した超小型集積光スイッチを開発

March 18, 2011, 東京--NECは、シリコンフォトニクス技術を利用して、シリコンチップ上の多数の光素子で構成した超小型集積光スイッチを開発した。
開発した光スイッチは、LSI製造向け標準CMOSプロセスを活用して形成したシリコン光導波路をベースに、局所的な加熱により屈折率を変化させて光路を切り替えるスイッチ素子64個と、多重化した光信号を波長毎に分離・合流する光合分波素子を作成し、12mm×3mmのシリコンチップ上に集積したもの。
同光スイッチは、微細加工が可能なシリコン光導波路を用いることで、従来の石英光導波路を用いた光スイッチと比べて約 1/100の面積となる集積化を実現した。また、低コスト化を実現するために、既存の標準CMOSプロセスを利用できるよう、最適なシリコン光導波路の形状とサイズで光回路設計を進め、偏光無依存化や、集積化した光路切替素子の特性均一化を実現した。
これらを実現することで、今後の広域光ネットワークやデータセンタ内光ネットワークなどで求められる様々な仕様の光スイッチに向け、複雑な構成を追加することなく光集積回路を実現できる基盤技術を確立した。

小型・低電力の光スイッチ
12mm×3mmのシリコンチップに光路切替素子64個と光合分波素子を集積化した光スイッチを作成。加熱部長さを100umとし、印加電力約35mW、切替時間約15μsで動作する光路切替素子を集積化し、従来の石英光導波路に比べチップ面積を約1/100、電力を約1/10とする小型・低電力の光スイッチを実現。また、標準CMOSプロセスを活用できるため作成コストの大幅な低減が可能。

素子特性均一化・偏光無依存化を実現する光集積回路基盤技術を確立
チップ作成時のCMOSプロセスで発生する特性ばらつきを最小限に抑える光導波路の形状とサイズで光回路設計を行うことにより、光路切替素子の加熱条件の均一化や偏光無依存化を実現。開発した光スイッチは、光集積回路の基盤技術として、多数の光路切替素子の集積・接続を実現するもので、複雑な構成を追加することなく用途に応じた様々な仕様の光スイッチ開発に利用可能。

広域光ネットワークやデータセンタ内光ネットワークでは、低電力化や装置運用効率化の観点から、光スイッチの導入が様々な領域で検討されている。特に、広域光ネットワークでは、40Gbps、100Gbpsと高速化が進むにつれて、ROADMに配備される光送受信器の消費電力とコストが上昇していくため、台数を最小限に抑えた効率的な運用が求められている。このため、ROADMにおいては、光経路の自由な設定を可能にする光スイッチの必要性が高まっている。
従来の空間光学系や石英光導波路を利用した光スイッチでは、サイズ・電力が大きいなどの課題がある。また、昨今、小型化が可能なシリコンフォトニクス技術を利用した光スイッチの開発が進んでいるが、要素デバイスレベルの技術に留まっており、集積化に向けた基盤技術の確立が求められている。
新開発の光スイッチは、光集積回路の基盤技術を確立し、様々な仕様への展開を可能にする。

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