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ワクチン開発に新しい顕微鏡技術

January 24, 2011, ロンドン--BBSRCとSTFCが資金を提供する科学者たちとの共同開発チームは、新型低エネルギー顕微鏡を使用してポックスウイルスと生細胞内の構成要素との相互作用を観察する。
遺伝子操作された鶏痘ウイルスはメキシコや東南アジアではこれまで鳥インフルエンザ予防のためのワクチン接種で広く用いられており、研究者たちはこの技術がより効果的なワクチン開発に役立つと考えている。これにより、健康な鶏がインフルエンザウイルスの保有者となることを減らせるとの期待がある。この研究は、2010年12月のウイルス学誌(Journal of Virology)に発表されている。
インペリアル・カレッジ・ロンドンDr Mike Skinnerグループ、Dr Ananya Jeshtadiは、BBSRCの鳥インフルエンザ対策活動(Combating Avian Influenza initiative)の一環としてこの研究を行った。狙いは、鳥インフルエンザとその動物ホスト(宿主)とが、どのように相互作用して効率よく増殖するかを理解することにあった。
Skinner博士によると、現行の鶏痘ベースのワクチンはインフルエンザに接触したときに鶏が病気になるのを防ぐには役立つが、鶏の感染を常に防ぐことはできない。そのため、ワクチン接種した鶏の約1/4は保菌者となり、他に伝染する。「これをもっと抑制する新しいワクチンを開発したい」と同博士は語っている。
Dr Skinnerは、「現在のインフルエンザワクチンの問題は、鶏がインフルエンザに罹ったときに通常なら感染細胞を除去するはずの免疫体系を活性化させないところにある。この研究は、鶏の感染細胞の除去を抑制する因子を突き止めることだ。それが分かれば、ワクチン接種したウイルスを保有する鶏のこの問題に対処する新しいワクチンを開発することができる」と説明している。
最先端の顕微鏡を開発し、この研究に参加しているSTFC Rutherford Appleton LaboratoryのDr Stan Botchwayは、「ウイルスと鶏の細胞との相互作用の研究に用いている顕微鏡は極めて有用だ。例えば、近赤外レーザ光を用いることで細胞や組織の奥深くまで見ることができ、細胞にダメージを与えることなく、何日でも観察することができる。したがって、エネルギーの高いレーザ光でプロセスに邪魔をすることなく、異なるタンパク質のすべてがどのように相互作用しているかを観察することができる。また、この技術では、タンパク質の相互作用を特定する前に細胞からタンパク質を取り出す必要がない」とコメントしている。
(詳細は、上記Journal)

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