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エクサスケール・コンピューティングに道を拓くIBMチップ技術

December 7, 2010, Yorktown Heights--IBMの研究者は、同一のシリコンピース上に電気と光のデバイスを集積する新しいチップ技術を発表した。これにより、コンピュータチップは(電気信号の代わりに)光パルスで通信し、従来技術で実現するよりもチップは小さく、高速に、低消費電力になる。
 この新しい技術、CMOS集積シリコンナノフォトニクスは、IBMの研究所の10年に及ぶ研究の成果。この特許技術は、光デバイスと機能を直接シリコンチップに集積することでコンピュータチップの通信方法を変え、パフォーマンスを向上させる。この技術では、現在の製造技術を用いる場合と比べて、集積密度が10倍以上になる。
 シリコンナノフォトニクスはチップ間の通信速度を劇的に高速化し、パフォーマンスを向上させ、さらに同社が意欲的に取り組んでいるエクサスケール(Exascale:exa=1018)・コンピューティングプログラムを一気に推し進めることになる。エクサスケールスーパーコンピュータは、現在の最高速のマシーンより約1000倍速い。
 IBMリサーチ、サイエンス&テクノロジーVP、Dr. T.C. Chenは、シリコンナノフォトニクス技術の開発について、「オンチップ光インタコネクション構想を著しく現実に引き寄せるものだ」とコメントしている。「プロセッサチップに光通信を埋め込むことで、Exaflopレベルのパフォーマンスを持つ、エネルギー効率のよいコンピュータシステムを実現するという展望が、一歩現実に近づく。」
 電気と光のデバイスを1つのチップに統合するだけでなく、この新しいIBM技術は標準CMOS製造ラインのフロントエンドで製造でき、新しい装置や特別な装置は全く必要としない。このアプローチにより、シリコントランジスタはシリコンナノフォトニクスデバイスと同じシリコンレイヤを共有することができる。このアプローチを実現するために、IBMの研究者は一連の集積型超コンパクトアクティブ、パッシブシリコンナノフォトニクスデバイスを開発した。これらはすべて回折限界までスケールダウンできる。

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