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NTT、100GbE用集積型レーザ光源を開発

September 10, 2010, 東京--日本電信電話(NTT)は、ルータ等の通信機器に搭載する100GbE用光トランシーバの送信部に用いる、モノリシック集積レーザ光源チップを開発した。
 光ファイバで10kmを伝送するLANで標準化された最新規格では、1波長25Gbpsの異なる光信号4波を波長多重(WDM)して伝送することが定められているが、今回開発したモノリシック集積レーザ光源チップは、この波長が異なる4つの25Gbps変調器付レーザと光合波器を1チップに集積したもので、従来の4つの単体のレーザを用いる方法と比較すると、光送信部のサイズおよび100GbE用光源としての動作に必要な消費電力を約1/3まで小さくすることが可能になる。
 この成果は、9月19日からイタリア(トリノ)で開催される国際会議European Conference on Optical Communication (ECOC2010)、および9月26日から京都で開催される国際会議International Semiconductor Laser Conference( ISLC2010) にて発表する予定。
 近年、インターネットでの高精細な動画配信など、コンテンツの大容量化に伴い、大容量データ通信サービスの需要が急速に高まっている。そのため、アクセス系ネットワーク(LAN)環境にも更なる高速化・大容量化が求められている。2010年6月にはLANの最新規格である100GbEの標準化が完了し、 MSAに準拠した25Gbpsの光信号4波を波長多重(WDM)伝送する第一世代の光トランシーバの市場導入が始まったが、25Gbps×4波長を作り出すためには、波長多重信号生成用の電界吸収型(EA)変調器集積DFBレーザが4つ必要となっているため、光トランシーバの小型化・低消費電力化が次の課題になっている。
 NTTのフォトニクス研究所は、光トランシーバの小型化・低消費電力化を実現するため、半導体層にアルミ(Al)系素材を用いて、25Gbpsの高速変調が可能な1.3μm帯EA変調器集積DFBレーザ(EA-DFBレーザ)4素子と、光信号を1つの導波路に集める光合波器を一体集積し、チップのサイズを2mm×2.6mmまで小型し、25Gbpsの光信号4波計100Gbpsの光信号を1つのチップから発振することに成功した。
 また、開発した集積チップを用いて、IEEEの規格で定められている100Gbps(1素子25Gbps×4波)信号のシングル・モードファイバ10kmのエラーフリー伝送にも成功。

技術の要点
(1)1チップで100Gbps(1素子25Gbps×4波)の光信号の生成を可能にした。
(2)1チップに4つの異なる波長の変調器付きレーザと光合波器を集積可能にしたことで、従来の4つの波長にそれぞれ単体のレーザを用いる構成と比較し、約1/3のサイズまで小型化した。
(3)単体レーザを用いる構成では温度制御素子(TEC)が4素子(レーザ)分必要でしたが、集積化により、1つのTECで4波長分のレーザの温度制御が可能になり、消費電力を約1/3まで削減することを実現。
(4)新たに高周波高密度配線技術を開発し、4つのレーザにそれぞれ25Gbpsの高速電気信号を配給することを実現。
 100GbE(IEEE標準化:第二世代、第三世代)の普及に求められる100GbE用光送受信モジュールをはじめとする、光部品全般の小型化ならび低消費電力化に取り組み、経済的で低環境負荷の光ネットワークの実現に向けた研究開発を目指す。

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