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アマダ、ファイバレーザ発振器(4kW)開発に成功

July 28, 2010, 東京--アマダは、次世代レーザとして世界で開発が進むファイバレーザ発振器の開発に成功した。
 光源となる光エンジンをモジュール化、これによって小型軽量化をはかるとともに納入後の増設を可能にした画期的な発振器。開発した出力4kWファイバレーザ発振器(AFL)をリニア駆動で世界最速の加工速度を持つレーザ加工機(FOL)に搭載、2010年10月、ドイツで開かれる板金加工機械の見本市「ユーロブレッヒ」にファイバレーザ加工機(FOL-Fiber)として出展する。同社は、2011年5月、このFOL-Fiberを次世代レーザ加工機の第一弾として国内で発売し、引き続き6月に世界同時リリースすることを決定。
 開発したFOL-Fiberは、FOLにファイバレーザを搭載、新たなアプリケーション技術を融合させたことで、加工への対応力が大きく向上したマシン。新世代レーザ加工機に求められる要件(難加工材への対応・省エネ・知能化)をすべて表現できるところに最大の特徴がある。
 その結果、銅、真鍮、チタン、非金属等、CO2レーザでは不可能な加工への対応が可能となったほか、新素材加工技術対応ソフトによる最適加工条件の自動設定ができるようになった。さらに波長1μm帯で焦点深度の深い高品質のレーザ光は幅100μmという超微細加工を可能にすることに加え、薄板(板厚1mm)ステンレス材の超高速加工(60m/分)を実現。ステンレス、アルミ加工の切断速度を飛躍的に向上(CO2レーザ比2.5〜3倍)させるなど、ファイバレーザの特徴を生かした加工を生み出した。一方、厚板(16mm)の高品位加工においてはCO2レーザに匹敵する面粗度を実現、確かな加工能力を示した。
 これによりCO2レーザ加工機では加工できない素材への対応で顧客の仕事領域拡大をはかることができ、エネルギー変換効率に優れた特徴を生かして、省エネ、省メンテナンスの作業環境改善を提案していく。
 また、マシン本体はシンプルな発振構造のため暖気運転の必要がなく、待機電力の大幅削減や浮遊粉塵量の低減ができ周辺環境の改善も期待できる。しかもレーザガスが不要なことや機構的に外部光学装置も少ないことから、CO2レーザ発振器搭載機に比べランニングコストを70%以上削減することができるなど優れた経済性をもつ。環境負荷の面でも大幅にCO2排出量は低減され、温室効果ガス25%削減の大目標に貢献できる新商品。
 アマダは2005年から、市販ファイバレーザ発振器をベースにした加工技術の評価に着手。アメリカのJDSU社から基礎コンポーネントの提供を受けることを決定。この基礎コンポーネントとレーザ加工機とを繋ぐ周辺技術に独自技術を展開し、今回ファイバレーザ発振器の開発に成功。開発された発振器「アマダファイバレーザ」(AFL)は、他社と違ってLD光をダイレクトにファイバで発振させる方式の光エンジンで、増幅された光は導光用のファイバにシームレスで繋がっている。発振器を構成するモジュール1基あたりの出力は600W。これを積み上げることで総合出力を決めることができるようになっており、このモジュールを7基積み重ねることで出力4kWの発振器ができ上がる。

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