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東北大とソニー、100W出力青紫色超短パルス半導体レーザを共同開発

July 22, 2010, 仙台--東北大学・未来科学技術共同研究センター・横山弘之教授(東北大学)とソニー先端マテリアル研究所(ソニー)は、共同研究の成果として、レーザ光のピーク出力を従来の世界最高値から一気に100倍向上させた青紫色超短パルス半導体レーザを開発した。
 今回開発に成功したのは、波長405 nmの青紫色領域で、3 ピコ秒(ps)の超短時間幅、100 ワット(W)の超高出力ピーク出力、1 GHzの繰り返し周波数を持つ、光パルスを発生できる半導体レーザ。新開発・独自構造の窒化ガリウム(GaN)系モード同期型半導体レーザと光半導体増幅器を高度に制御することで、従来の青紫色パルス半導体レーザ出力の世界最高値の100倍以上にもなる100 W超のピーク出力を実現している。
 これまでも、固体レーザや波長変換素子を組み合わせた高機能・高価な先端科学研究用途の超高出力・超短パルスレーザ装置は存在したが、光源装置自体が大型で、レーザの安定動作のために専門技術者による操作が必要だった。今回開発した半導体素子の組合せによる半導体レーザシステムは、将来、こうした装置を大幅に小型化できる技術で、用途の大幅な拡大が期待できる。
 今回開発した超高出力・超短パルス半導体レーザ光源では、高強度レーザ光のもとでのみ生じる2 光子吸収と呼ばれる非線形現象を利用することが可能で、レーザ光をレンズで集光した際、レンズの焦点付近でのみ、レンズの焦点スポット径よりも小さな領域で化学変化や熱的な変化を起こすことができる。この性質を応用することで、無機・有機物質のナノメートルオーダーの3次元微細加工や、次世代大容量光ディスク記録など、幅広い分野への応用の可能性が広がるものと期待できる。
 ソニーでは、この技術の次世代大容量光ディスク用途への原理検証として、プラスチック材料の内部に、3 μm毎に直径300 nm程度の空孔をあけ、これをレーザ光で読み取る実験に成功している。
 今回の研究成果は、材料・デバイスの基礎に立脚して産学連携共同研究プログラムを推進する東北大学の超短パルスレーザ基盤技術とソニーの半導体レーザ素子基盤技術との融合で得られた成果。今後について両研究機関は、「さらなる高出力化や多機能化など基盤技術の育成を進めるとともに、システムの小型化・安定化など実用化技術の開発を進める」としている。

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