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日立、小型・携帯型『ウェアラブル光トポグラフィ』販売開始

April 20, 2010, 東京--日立製作所(日立)と日立国際電気エンジニアリング(HKDE)は、脳活動に伴う脳内血液量の変化を計測することにより、日常生活の脳活動の把握・研究に活用することができる「ウェアラブル光トポグラフィ」を開発した。HKDEが製品化、日立が販売を担当し、大学などの研究機関向けに非薬事品として7月から販売する。
 同製品は、日立の光トポグラフィ法に関する研究開発の成果や、HKDEの小型回路実装技術、省電力化技術など、日立グループの技術を活用したもので、両社は同製品の提供を通じ、より日常に近い状況の中で脳活動を把握したいというニーズに対応していく。
 光トポグラフィ法は、1995年に世界に先駆けて日立が開発した。微弱な近赤外光を頭皮上から照射して、脳活動に伴う脳内血液量の変化を無侵襲で計測し画像化する技術。2001年に日立メディコが医療用装置として販売開始した。さらに光トポグラフィ法は、脳科学や認知科学、心理学、教育学などの研究分野においても有効であり、より手軽に幅広く利用したいという声が広がってきている。
 こうしたニーズに対応し、日立は2007年5月に携帯型光トポグラフィ技術試作を発表するとともに、2009年11月には2チャンネルの頭部近赤外分光計測装置の販売を開始するなど、より日常に近い状況の中で計測するための技術開発を推進してきた。
 同製品は、頭部に装着するヘッドセット、計測するための設定や計測結果を保存する携帯制御ボックス、計測結果を表示する計測コントローラの3点で構成。携帯制御ボックスと計測コントローラは無線LANによる双方向通信を用いて、計測結果をリアルタイムに計測コントローラに表示することができる。また、無線LANを使わなくても、ヘッドセットと携帯制御ボックスで計測することができる。
 ヘッドセットは頭部への密着性を向上するために、光源と受光部をブロック化した。また、2種類のレーザダイオードを1つのパッケージに実装することで小型化を実現。独自開発の705nmのレーザダイオードを採用することで、高い信号精度を維持している。さらにヘッドセットと携帯制御ボックスを増設することで、1台の計測コントローラで最大4人の同時計測が可能。
製品の主な特長
(1) 2波長のレーザダイオードのパッケージ化による小型化: 2つの異なるレーザダイオードを1つのパッケージにすることで、ヘッドセット重量を約700gとする小型化を実現。さらに、携帯制御ボックスも約650gに抑えた。これによりヘッドセットと携帯制御ボックスの装着時の負荷を軽減したことで、より日常生活に近い状態で脳活動を計測できるようにした。
(2) 光源と受光部をブロック化したヘッドセットを開発: これまでの製品や技術試作ではヘッドセット形状が円形状に固定されていたため、被験者の頭の形や大きさによってはセンサ部分の額への密着度が低い場合があったが、光源と受光部をブロック化した構造とすることで、センサ部分の被験者の密着度を図った。
(3) 1台の計測コントローラで最大4人同時計測を実現: ヘッドセットと携帯制御ボックスを増設することにより、1台の計測コントローラで最大4人同時に計測し、それぞれの計測結果をリアルタイムに表示・保存することができる。これにより、同時計測による実験の効率化や、最近注目されている、会話時のような複数脳の同時計測が必要な研究分野への新たなアプローチが可能になる。

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