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古河、100G光デジタルコヒーレント伝送用の光部品を開発

March 19, 2010, 東京--古河電工は、次世代の超高速光伝送方式、光デジタルコヒーレント方式用の光部品として、狭線幅フルバンドチューナブルレーザ、偏波合分波器内蔵型コヒーレント・ミキサ、新設計の偏波保持光ファイバを開発し、順次サンプル出荷を開始する。
40Gbps、100Gbpsの超高速光伝送では、従来の光強度をON/OFFする2値強度変調方式に替わって、信号劣化に対し耐性がある位相変調を用いた光デジタルコヒーレント方式が主流になると見られている。
この光デジタルコヒーレント方式では、信号光と局発光を干渉させることで信号の復調を行う。そのため、両者の光源には、安定した干渉を得るために発振スペクトル幅の狭い(狭線幅の)発光が必要となる。
古河は光ネットワークシステム向けの信号光源として、これまで波長安定性、信頼性の高いDFBレーザアレイ型フルバンドチューナブルレーザを供給している。この実績をベースに、高い波長安定性、信頼性を維持する設計を軸にレーザ活性層の構造や共振器の構造を最適化することにより、 500kHz以下(従来比1/3以下)の狭線幅を実現し、40mW以上の高出力のフルバンドチューナブルレーザを開発した。
同製品は、光デジタルコヒーレント方式での信号光と局発光の光源として高い安定性と信頼性を実現するとともに、波長を任意に選択できることから、伝送路の柔軟な設計を可能としコストダウン効果も発揮する。サンプル出荷開始は、9月を予定しているが、同社では「今後、更なる最適化を進め、早期の製品化を目指す」としている。

偏波合分波器内蔵型コヒーレント・ミキサ
光デジタルコヒーレント方式では、位相変調信号を2つの直交する偏波で伝播させること(DP-QPSK変調方式)により、更なる超高速光伝送が実現できる。
DP-QPSK変調方式の信号受信部では、偏波合分波器と光干渉器(コヒーレント・ミキサ)が必要となる。古河は、豊富なPLC技術の蓄積を活かし、偏波合分波器を内蔵したコヒーレント・ミキサを開発し、4月よりサンプル出荷を開始する。
古河電工はPLCの技術蓄積を用い、高偏波消光比である偏波合分波器と、優れたロス均一性を持つコヒーレント・ミキサを、1チップ上で実現し、小型化に成功。これまで必要だった両部品の結合作業が不要となりコストダウンにもつながる。また、PLCの特徴である安定した特性再現性により、コヒーレント・ミキサにとって重要な特性の1つである、光ポート間の光信号の伝送時間差(スキュー)を最小限に抑え、個体毎の特性ばらつきの小さい、安定で優れた特性を実現している。

新設計の偏波保持光ファイバ
DP-QPSK変調方式では、局発光とコヒーレント・ミキサ間や、信号光源と変調器間で偏波を保持したまま伝送する必要がある。優れた挿入損失とクロストーク特性を実現した新設計の偏波保持光ファイバを、同社米国子会社OFS社(OFS Fitel, LLC)が開発した。

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