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価格下落によって競争が激化する太陽光発電市場

March 1, 2010, El Segundo--iSuppliによると、2010年は太陽光発電システムの導入が急増するが、ソーラコンポーネント価格の急落により業界の競争が激化する。
 PVシステム担当主席アナリスト/シニアディレクタ、Henning Wicht氏は、世界の導入PVシステムは2010年には64%増、8.3GWに達すると見ている。「世界のリセッションが収まり、地域的、セグメント的に新規需要が出てきているために、2008年秋前の成長水準に戻るだろう」と同氏はコメントしている。
 今年は需要の回復は予想されるが、2009年に起こった劇的な価格下落が利益を圧迫し続ける。平均で、結晶モジュールの価格は昨年37.8%落ち込んだ、ソーラウエハの価格は50%、ポリシリコンの価格は80%と衝撃的な落ち込みを見せた。
 このトレンドは2010年も続くが、下落率は緩やかになる。結晶モジュールの価格は20%減、ウエハ価格は18.2%減、ポリシリコンの価格は56.3%減と予想されている。
 同氏によると、「価格下落によって業界は変わって行かざるを得ない。PV価格の急落は、業界がより競争市場に変貌するような価格構造に徐々に変わっていくことを意味している」。
 価格が急激に下方シフトしたことでサプライヤーは、価格下落について行けるように、また圧縮された利幅を補填できるようにコスト削減を加速させる必要がある。「コストダウン計画が最終的に価格下落率に追いつく時、利益の全般的な改善が期待できる」と同氏は指摘している。
 2009年はほぼ全面的に損失を計上したが、PV利益は昨年第4四半期の明るい見通しに続いて2010年には改善が進む。iSuppliは、2010年の最後の四半期には平均価格は10%以上戻すと予想している。ただし、通年では価格下落となる。
 2010年のPV導入の伸びは、新たに活性化したドイツ市場が牽引する。同市場は、2009年上期は低迷状態だったが、下期には徐々に成長に転じ、このトレンドは今年上期も続くと見られている。
 しかし、PVシステム導入促進のために計画された固定価格買取制(FIT)がMerkel政府によって修正されるようなことがあると、ドイツ市場は夏までに再び停滞する。PV市場全体におけるドイツの位置は、2009年は全世界市場の50%を占めており、極めて重要。ドイツのFIT削減が15%であっても、それが2010年半ばに実施されると、他の国々全体のPV需要では補うことはできない。
 他の国々では、先行地域でも新たに立ち上がってきた地域でも、PV導入は継続して増えていくとiSuppliは見ている。Wicht氏は、「2010年には複数の新規市場が立ち上がり、そのほとんどはUS、イタリア、それに新興の中国だ。これら3市場を合わせて2010年の成長予測の50%を占める」とコメントしている。
 PV市場に今年新たに参入する企業が増える。韓国のサムスン(Samsung)やLG電子(LG Electronics)、台湾のTSMCファンドリ、米国のエンジニアリングジャイアント、Bechtelなどだ。

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