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デジタル処理によってGbpsクラスの高速な送受信ICを実現

February 22, 2010, 東京--富士通研究所とトロント大学は、Gbps(ギガビット毎秒)クラスの高速動作でデータをやりとりする有線通信の送受信ICに関して、従来のアナログ回路を用いた構成を一新し、デジタル回路による新しい処理方式を開発した。
アナログ処理では、転送する信号の伝送距離や振幅の大きさといった特性にあわせて回路を最適化する必要があったが、今回のデジタル化によって回路の最適化を自動的に行う仕組みを実現できるため、一つの回路をさまざまな有線通信に適用できる。これにより、開発期間を従来に比べ、約2分の1と大幅に短縮することが可能になる。今後は、データセンタにおける10Gbps高速Ethernet通信など、さまざまな有線通信への応用が期待できる。
従来の送受信ICは、アナログ回路を用いて実現されており、転送する信号の伝送距離や振幅の大きさといった特性にあわせて回路を最適化する必要があるため、用途に応じて複数の送受信ICの設計が必要だった。高速でデータを送受信する機器は多様化しているが、従来の技術では機種ごとの特性にあわせた最適化がボトルネックとなり、短い開発期間で多様な機器にあわせた送受信ICを開発することは容易ではない。
両研究機関は、送受信ICをデジタル回路の構成にする技術を開発した。デジタル化することにより、さまざまな高速有線通信回路の最適化を自動的に行う仕組みを実現できるため、開発期間を従来の約2分の1へと大幅に短縮することができる。
1. 信号判定のタイミングを自動的に調整: データ通信時に発生する入力信号の時間方向の揺らぎ量を検出し、その結果に応じて受信信号である「0」「1」の判定タイミングを自動的に調整する。データ通信は、高速化によって揺らぎ量も増えるため、この技術は正しくデータのやりとりをするために必要となる。今回は世界で初めて、Gbpsクラスの高速通信で、アナログ要素回路を用いることなく、信号判定のタイミング調整を完全にデジタル化することに成功。
2.信号品質の劣化を自動的に補償: ケーブルを伝わった信号は波形が劣化するが、高度なデジタル信号処理によって、劣化した波形を補償する。
世界初のデジタル回路による高速な送受信技術により、Gbpsクラスの高速送受信ICの設計・開発期間を従来に比べ約半分と、大幅に短縮することができる。これによって、さまざまな通信機器に向けてタイムリーな品種提供が可能になる。さらに、今回のデジタル技術を用いた方式は、アナログの方式と比較して、半導体の微細化プロセスの進化による小型化が容易。
技術の詳細は、サンフランシスコで開催されている半導体の国際会議「ISSCC2010 (International Solid-State Circuits Conference 2010)」にて発表した。

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