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3層セル構造により、薄膜シリコン太陽電池セルで変換効率14.8%

February 17, 2010, 東京--三菱電機は、省資源で低コスト化が可能な薄膜シリコン太陽電池において、3層セル構造により太陽光を有効利用し、業界トップクラスの光電気変換効率14.8%を実現した。
 結晶シリコン系の太陽電池は、高価なシリコンウエハーを用いるものの、光電気変換効率が高く、一般住宅の屋根など設置面積の制約がある場所に適している。一方、薄膜シリコン太陽電池は結晶系に比べて光電気変換効率は低めであるが、シリコンの使用量が少ないので低コストが重視される工場、電力会社や自治体などの産業用・大中規模発電用を中心に需要拡大が見込まれている。また、変換効率が大幅に向上すれば用途が広がり、薄膜シリコン太陽電池の需要がさらに拡大することも予想される。
 薄膜シリコン太陽電池で光電気変換効率を高めるためには、吸収波長の異なる発電層を複数重ねて吸収するのが効果的だが、各層の特性を整合するのが難しく、現在は単層もしくは2層の薄膜シリコン太陽電池が主流となっている。このため、より高効率化が可能な3層構造の薄膜シリコン太陽電池を実現する技術が求められている。
開発成果は、以下の通り。
3層セル構造により太陽光を有効利用し、光電気変換効率14.8%を達成: 三菱は、太陽光が持つ可視光から赤外線までの広い波長の光を3つの発電層でバランス良く吸収することで、光を効率良く利用する3層セル構造を開発した。短い波長を吸収する第1層セルから長い波長の光を吸収して発電する第3層セルまで、それぞれの吸収波長に最適な発電層を形成する半導体材料設計や構造設計、およびこれら発電層の高品質成膜技術を確立。さらに、透明電極の表面に凹凸をつけて光閉じ込め効果を高めるテクスチャー形成技術を開発することにより、薄膜シリコン太陽電池で業界トップクラスの光電気変換効率14.8%を達成した。
今後の展開について、同社では、「セル構造や材料、プロセスなどの改良を続け、薄膜シリコン太陽電池のさらなる光電気変換効率の向上を図っていく」としている。

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