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世界で初めて単一人工原子レーザを実現

February 16, 2010, 東京--国立大学法人東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦教授、野村政宏特任助教らは、ナノ共振器中に、人工原子である半導体量子ドット1つが埋め込まれた単一人工原子レーザの実現に世界で初めて成功した。
これは、低密度に量子ドットを成長する技術と光子を長時間閉じ込めることのできる高品質2次元フォトニック結晶ナノ共振器という世界最高レベルのナノ加工技術を駆使して実現した究極の微小レーザ。単一人工原子からのレーザ発振であることは、単一量子ドットに閉じ込められた1個の電子とナノ共振器の中に閉じ込められた1つの光子が極めて強く相互作用する真空ラビ分裂という物理現象を観測することにより、裏付けることができた。今回の成果は、これ以上分割できない一つの人工原子からなる究極の微小レーザの実現を意味し、1962年に半導体レーザ出現以来の大きな成果といえる。
 同レーザは、固体における最小のレーザ媒質である量子ドット1つと、光の閉じ込め限界である波長サイズ程度のナノ共振器から構成されるため、現状の半導体レーザと比べ、1000倍以上の超高効率レーザが可能となり、低消費電力な微小レーザ光源として機能する。これにより電子、光子1つ1つを扱うような基礎実験物理分野での有用性はもちろん、実用的なデバイス応用への道も拓かれた。半導体チップ上光回路用の超微小光源としての応用や、通信の究極の低消費電力化などへの応用が期待される。また、光子を使った超高速演算が可能な光コンピューター実現のキーデバイスにつながると期待される。

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