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シーメンス、白色LEDで500Mbps空間伝送

February 1, 2010, ベルリン--シーメンス(Siemens)の研究者は、白色LED光を利用した無線データ伝送で記録を更新した。
 ベルリンのHHI(Heinrich Hertz Institue)と共同で、500Mbpsまでの伝送速度を達成し、従来の200Mbpsから大幅に記録を伸ばした。光による無線データ伝送は家庭、産業界、交通機関向けの新しいアプリケーションに道を拓く。
 シーメンスの子会社、オスラム(Osram)が製品化した白色LEDを用いてミュンヒェンCorporate Technologyの研究者は500mまでの距離で空間伝送に成功した。データは、パワーを供給してLED光を変調することで直接伝送する。研究者は市場で最も高輝度のLEDの1つであるOstar LEDを用いた。このLEDは、500Mbit/sまでのレートで変調可能となっている。輝度の変化は人の目では視認できない。光信号はフォトダイオードで電気信号に変換する。
 VLC(可視光通信)として知られるこのデータ伝送方式は、様々なアプリケーションの可能性がある。例えば、家庭では、既に定評のあるWLAN技術に対して有用な追加技術となる。多くのビルディングでは独立したWLAN周波数帯域が多重に占有されていて、データパケット間の衝突が生じ、ワイヤレスネットワークは益々危うくなっている。こうした状況では、現在未使用で、しかも免許不要の可視光が適切な代替技術となる。さらに、この形式のデータ伝送は傍受できないという利点がある。円錐形の光ビーム内に直接置いたフォトディテクタにしかデータを受けることができない。言い換えると、光ビームで伝送されるデータをタップすることは不可能と言うことになる。また、工場や医療環境でもこのタイプのデータ伝送が求められている。そうした環境では、使えなかったり限定されていたりする無線帯域がある。また、輸送機関もアプリケーションの1つになる。LEDスポットライト、鉄道信号を用いて情報を車や電車に送ることも可能だ。
 研究者たちは、5個のLEDを組み合わせたシステムを用いて、より長い距離で100Mbit/sまでのデータを伝送できることも示した。こうしたシステムは、天井ライトにより部屋の中の机に置いたレシーバに向けてデータを伝送できるので、実用的なアプリケーションでもある。IEEEは、2007年以来、この分野の標準化を進めている。この標準化作業は、2010年末までには完了する予定。

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