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メタマテリアルで次世代のレンズを試作

January 8, 2010, ダーハム--デューク大学(Duke University)の研究者は新しい世代のレンズを作製した。同レンズを用いると、広い視野と詳細な像が得られ、通信やレーダーシステムの性能が著しく向上する。
 レンズとは言うものの、見た目はレンズに見えない。従来のレンズは完璧に磨いた表面を持つガラスやプラスチックの透明物質でできているが、新しいレンズは日焼けしたブラインドの模型のように見える。しかし、それを透過する電磁波の方向に焦点を合わせる機能は通常のレンズの機能を格段に凌駕している、と研究者は言う。
 最新の進歩は、メタマテリアルという新しい素材の製造が可能になったことによる。これらの実験で用いられるメタマテリアルは、ある1つの物質というのではない。完全に人工の構造であり、これによって自然界にはなかった特性を工学的に生み出すことができる。
 試作したレンズ、4×5インチ、高さが1インチ以下のレンズは、回路基板に使用するものと同じファイバグラス素材(マテリアル)を銅でエッチングした、1000個を超えるピースでできている。これらのピースを並列に高精度整列させることで、透過する光を方向付けることができる。デューク大学工学科電気・コンピュータエンジニアリングのポスドク助手、Nathan Kundtz氏によると、「これらのレンズは光線を極めて効率よく集中させることができるが、光がレンズを透過するときに起きることがこのレンズを限界づけている。レンズ面を使う代わりに、面の間のそのマテリアルを変えることで光を制御できることをわれわれは見いだした。レンズの体積(volume/bulk)を制御できれば、特定の仕様に合うようにレンズ設計を自在に行うことができる。」
 研究者たちによると、1つのメタマテリアルレンズは、多くのレンズアレイを必要とする従来の光学システムに取って代わることができ、得られるイメージも一層鮮明なものになる。また、メタマテリアルレンズは、レーダーアレイなどの大規模システムにも使用することができる。これは従来のレンズでは、大きくなりすぎて実用的ではなかったアプリケーションだ。
(詳細は、www.duke.edu)

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