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走査型電子顕微鏡画像のSN比と画像の鮮鋭度を1.4倍に向上

December 8, 2009, 東京--日立製作所(日立)は、ナノメートル(nm)レベルの分解能で試料を観察するために用いられる走査型電子顕微鏡(Scanning ElectronMicroscope/ SEM)の画像に対して、ノイズを低減するとともに、電子ビームの広がり(ビーム径)によって劣化した鮮鋭度を復元してシャープな画像にする画像処理技術を開発した。
これにより、画像処理を行わない場合と比べて、SN比と鮮鋭度をともに約1.4倍に向上させることに成功した。この技術を用いることにより、従来は高画質化が難しかったSN比の低いSEM画像に対しても、鮮明な画像にすることができる。
SEMは、ナノメートル単位の微細構造を持つ試料の観察や解析を行うための装置として、医療・半導体・材料などの分野で広く用いられている。原子・分子レベルでの構造解析に対する必要性の増加や半導体デバイスの微細化・高密度化の進展とともに、SEMの性能向上に関する研究開発が、試料表面に照射する電子ビームをより細くして高分解能化をめざすハードウェアからのアプローチと、撮影したSEM画像を画像処理することによりビーム径で劣化した画像からシャープな画像を復元するソフトウエア面のアプローチの双方から進められている。 今回、日立が開発した技術は、ソフトウエアによる画像処理を用いて、ビーム径で劣化したSEM画像の鮮鋭度を復元してシャープな画像を得る技術。現在、医療機器や光学顕微鏡などの分野では、すでに画像処理を用いた画像復元技術が利用されているが、SEM画像の場合は光学顕微鏡などの画像に比べてノイズが多くSN比が低いため、一般的な画像処理による復元技術ではノイズがさらに増幅し、むしろ画質が悪化してしまうという課題があった。
日立は、画像の明るさの変化方向と周波数成分を解析して高精度にノイズを低減するとともに、ビーム径で劣化した鮮鋭度を復元することにより、SN 比が低いSEM 画像に対しても、適切なノイズ低減と鮮鋭度の改善を実現する画像処理技術を開発した。
技術の特長。
(1)画像の明るさの変化方向と周波数成分に考慮したノイズ低減技術:撮影されたSEM画像は正しい信号にノイズが重畳したものだが、従来は信号とノイズを適切に識別できなかったために、鮮鋭度を改善した際に、ノイズの影響で画像が悪化していた。SEM画像の各位置における明るさの変化方向と周波数成分を同時に考慮することによって信号とノイズを高精度に識別し、ノイズを低減する技術を開発。
(2)電子ビーム径の広がりの影響を抑制する鮮鋭度の復元技術: SEMの原理は、試料表面に照射した電子ビームを走査して試料上の各点から放出される二次電子を検出して画像化する方式であることから、電子ビームの広がりが分解能劣化の原因となっていた。今回、電子光学系シミュレータを用いて撮影時の電子ビームの広がりを高精度に算出し、ビーム径で劣化した鮮鋭度を復元するように画像処理を繰り返す画質改善技術を開発した。
今回開発した画質改善技術を用いてSEMの画質改善効果を検証した結果、画像処理を行わない場合と比べて、画像のSN 比および鮮鋭度がともに約1.4倍に向上できることを確認した。

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