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応力発光体を用いた構造物の安全管理モニタリングシステム

November 10, 2009, つくば--産業技術総合研究所(産総研)生産計測技術研究センター応力発光技術チーム、徐超男研究チーム長、アダプトロニクスチーム上野直広研究チーム長らは、橋梁や建物などの実構造物の保守点検・維持管理に応用可能な、コンクリートの亀裂の形状分布や進展具合を応力発光センサなどによって可視化するモニタリングシステムを初めて開発した。
この開発には、九州大学応用力学研究所、汪文学准教授ら、大成基礎設計、ロジカルプロダクトなどが協力している。
今回開発した安全管理モニタリングシステムは、力学的な刺激により発光(応力発光)する応力発光センサ、応力発光センサからの発光強度分布をモニタリングする画像センサノード、無線光センサノード、発光強度から構造物の応力異常を診断するデータベース、およびこれらを統合するネットワークシステムで構成される。応力発光センサを構造物表面に配置してこのシステムを用いると、供用中の橋梁や建物のコンクリートに発生する亀裂の様子を可視化できる。また、構造物の応力異常を診断することにより、亀裂の発生や亀裂の進み方を予測できる。応力発光現象を利用した今回のモニタリングシステムは、コンクリートなどの各種構造物の保守点検・維持管理への応用が期待される。
 応力発光体は粉末状のセラミックス微粒子(粒子径は制御可能)であり、個々の微粒子それぞれが力学的信号を光信号に直接変換するセンサの役割を果たす。この微粒子を含有する塗料を対象物に塗布すると、応力集中が個々の微粒子の発光となって現れるため一種の画像情報が得られる。したがって、応力発光体を塗った構造物表面において、そこで生じる局所的な応力異常の様子、亀裂の形状や分布を高い分解能で確実に捕捉できる。この点が、開発した技術の大きな特徴。
産総研では、「今後ユーザーとの連携を強化し、さらに実証試験を行う」としている。また、「各要素技術の高度化・最適化の相互のフィードバックにより、データベースのデータ蓄積と画像による異常診断ソフトウエアのアップグレード、異常亀裂(開口変位)の遠隔モニタリングの実現、各種強度検証・破壊予知・劣化検査・寿命診断への適用を進める」ことも予定されている。最終的には、「応力発光現象の学問的な体系化、応力発光による計測技術の規格化・標準化・普及」を目指している。
(詳細は、www.aist.go.jp)

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