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レーザプラズマ分光計で野菜の汚染をトレース

November 6, 2009, ベルファスト--研究者たちは、高分解能、時間分解分光システムを利用して新鮮野菜の微量元素を初めて量的に計測することができた。使用した技術はレーザ誘起プラズマからの光出力を検知する技術だった。
 レーザ誘起分光分析装置(LIBS)は、微量元素検出には感度がよく、信頼性が高く、確立された技術だ。この研究では初めてLIBSを用い、単にこれらの元素の有無を検出するのではなく、危険性の高い微量元素の集中を新鮮野菜から直接計測する。
 これは、一般に消費される新鮮野菜の微量な汚染物質を計測するためのより速く、より感度が高いツールへの第一歩であり、土壌の汚染と食物の不純物との関係調査に拡張することができる。分析にサンプルを用意する必要はなく、レーザプラズマをジャガイモに誘起すればよかった。これは、この技術のフィールド応用の可能性を拓くものでもある。
 フランス、リヨン大学のJin Yu教授の研究グループが、アンダ(Andor)のiStarCCDカメラとMechelle分光器からなる時間分解分光システムを使用して過渡的なプラズマスペクル、放出を計測する。レーザパルスをジャガイモの皮に向けて生成するプラズマのライフはマイクロ秒(μs)オーダー。
 iStarカメラを利用して、数十nsの精度で一定時間内のプラズマ放出を記録。適切な時間分解能による検出で電子密度、プラズマの温度が分かり、これらから微量元素の集中が分かる。
 Yu教授は、「われわれにはレーザ誘起で生成するプラズマの特性について詳細が分かっていない。LIBS技術の真の課題は、新鮮野菜のような複雑な物質に含まれる微量元素を量的に計測することだ」とコメントしている。
 Andor Mechelle 5000をベースにしたシステムは、UVから赤外までの極めて広いスペクトラル範囲にわたり計測することができる。Yu教授によると、Andorのシステムは高分解能でもある。「こうした特徴を組み合わせると、われわれは非常に多くの元素を同時計測することができる。正しく、マルチエレメント検出システムだ」と同教授は絶賛している。
 健康に有害な金属、有益な金属が存在する。銅は、吸収しすぎると毒だ。もし感度がよくて信頼のおける検出技術があれば、銅が多すぎる環境で野菜を育てないようにしてフードチェーンを阻止でき、こうした場所を浄化することができる。「LIBSは、この種の分析に適した技術だ。と言うのは、熱いプラズマはあらゆる元素を、たとえ集中度が低くても、励起することができるからだ」とYu教授の研究グループに属するフロリダ中央大学のDr. Matthieu Baudeletは話している。

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