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NEC、世界初の高感度実時間非冷却テラヘルツカメラの開発

June 19, 2009, 東京--日本電気(NEC)は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究「ICTによる安全・安心を実現するためのテラヘルツ波技術の研究開発」を受け、従来のものより2桁以上高感度なハンディ型実時間非冷却テラヘルツカメラの開発に世界で初めて成功した。
このカメラと小型のテラヘルツ光源を組み合わせてポータブルなテラヘルツ計測装置にすることが可能になり、広い分野における新たな応用が期待されている。
 テラヘルツ波は、可視光・赤外線と電波の中間に位置する電磁波で、計測や通信等における新たな利用技術の研究が進められている。テラヘルツ波を用いた画像計測は、X線よりも安全な検査装置として、また次世代の材料分光分析技術として注目されているが、これまで光源やセンサといったテラヘルツ要素技術は発展途上にあり、テラヘルツカメラはレーザのような高輝度の光源を検出することはできたが、本質的に感度が低く、レーザ光源と組み合わせたテラヘルツ計測装置は大型で用途に限りがあった。このため高感度非冷却テラヘルツアレイセンサ、テラヘルツ用光学系及び画像信号処理の技術を開発することが課題となっていた。
 NECは、従来から開発していた高感度非冷却テラヘルツアレイセンサに加え、テラヘルツ光学系用に特殊な薄肉レンズを開発し、非冷却テラヘルツアレイセンサを封入した真空パッケージをテラヘルツカメラに内蔵させること、同時にテラヘルツ用積分機能(画素積分、フレーム積分)を追加開発して、60Hzのフレームレートで様々なサンプルの実時間画像を取得できるハンディな実時間高感度テラヘルツカメラの開発に成功した。さらに、光源とカメラを組み合わせた従来のテラヘルツ計測装置は事務机ほどの大きさでしたが、小型量子カスケードレーザ光源と組み合わせることにより、ポータブルなテラヘルツ計測装置にすることが可能になった。
 NECは今後の展開について、「NICT自主研究の成果である量子カスケードレーザ等の光源とテラヘルツカメラを組み合わせて、防災応用、半導体材料、複合材料及び文化財などの非破壊検査の分野、また従来、酵素等の添加による発色や発光のような可視化手法を利用したタンパク質など生体物質の計測技術への応用、血液検査での利用、創薬等ライフサイエンス分野などのキーとなる用途を開拓していく」としている。
NECは今回開発したハンディな高感度実時間非冷却テラヘルツカメラの製品化を予定している。

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