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北大、短波長の蛍光を発する群青色蛍光タンパク質を開発

April 8, 2009, 札幌--北海道大学(北大)は、世界最短波長の蛍光を発する群青色蛍光タンパク質(シリウス)の開発に成功した。これは、同学電子科学研究所ナノシステム生理学研究分野教授の永井健治氏らによる成果。
 1990年代に緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子がクローニングされて以来、遺伝子改変により数多くの蛍光色変異体が開発されてきた。とりわけ緑よりも長波長の黄、橙、赤色の蛍光を発する蛍光タンパク質は数多く開発され、生命科学研究の様々な解析に貢献してきた。一方、短波長の青や紫色の蛍光を発する蛍光タンパク質は未だに種類が少なく、多くの研究者から長年その開発が求められていた。
 研究グループは蛍光タンパク質の発色団とそれを取り巻くアミノ酸に変異を導入することで、紫と青色の中間色である群青色の蛍光を発するタンパク質Sirius(シリウス)の開発に成功した。これにより、15年ぶりに蛍光タンパク質の最短波長発光記録が更新された。Siriusは従来の蛍光タンパク質とは異なり、如何なるpH条件下でも安定した蛍光を発する特徴を有し、これまで困難であった酸性環境下にある細胞内小器官内でのタンパク質動態の観察を可能にしました。また、Siriusを用いたDual FRETにより、同一細胞内での複数の生理現象を可視化することも実現した。
 この研究は、北海道大学大学院理学院生命理学専攻修士課程の友杉亘氏、ならびに自然科学研究機構生理学研究所の計画共同研究プログラムに基づく准教授の根本知己氏らとの共同研究で行われた。
 この研究成果は、米国科学誌『Nature Methods』の電子版で2009年4月6日(米国東部時間)に公開された。

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