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レーザ加工法と電解加工法で毛髪サイズの極細金属管を複雑形状に加工

April 1, 2009, つくば--産業技術総合研究所(産総研)先進製造プロセス研究部門エコ設計生産研究グループ 三島望研究グループ長、栗田恒雄 研究員らの研究グループは、直径100μm以下の極細管に対して微細複雑形状の加工ができる「レーザ電解複合加工機」を開発した。
同技術は脳外科手術用カテーテルやステント、高密度電子回路検査用コンタクトプローブ等、従来微細複雑形状加工を行うことが困難であった高付加価値デバイスの加工への適用が期待される。
新開発の装置では、非接触加工であるレーザ加工法を適用することにより、加工の際に加工対象物に加わる力をほぼゼロとした。また、同じレーザ光源を用いて加工と計測を行うため、計測位置と加工位置のずれがなく、加工対象物の回転中心のずれや傾きなどの保持誤差があっても、誤差を補正してレーザを正確な位置に照射できる。さらに、電解仕上げ加工を行うことにより、レーザ加工の問題点である熱影響層の除去と表面の平滑化を可能とした。加工対象物を一旦設置すると、取り外すことなく同一加工装置上で両加工を行うことにより、毛髪サイズの極細ステンレス管に対して微細複雑形状の加工が実現可能となった。
 医療用器具であるカテーテルやステント等は、脳外科手術等のニーズに対応するため200μm以下の極細化が求められている。一方、電子工業分野における電子回路検査用のコンタクトプローブも回路高密度化に合わせ直径100μm以下の製品化が急務。医療、電子分野におけるニーズが存在するが、現状では直径300μm程度以下の極細管の複雑形状加工は実現できていない。
新開発の「レーザ電解複合加工機」は、複合加工技術のコンセプトに基づいて、機械加工が難しい極細管の複雑形状加工を可能にするために、レーザ形状加工法と電解仕上げ加工法を同一加工装置上で組み合わせ、高能率高精度加工を行う装置。同装置を用いることにより、既存加工技術では困難であった直径300μm以下の軸、管形状の高付加価値デバイスの製造が高能率で実現できる。
新開発の技術などは、以下の通り。
1)保持誤差補正機能付きレーザ加工技術
2)保持誤差補正機能付き電解加工技術
3)独自のコントロールソフトウェアの開発
4)複雑形状極細管の加工

産総研は今後の展開について、「開発した装置を用いて、実際の医療用部品、電子部品を対象とした極細管複雑形状の加工を行い、開発技術の有効性をより広範に示していく。また、本技術に関するニーズをもつ協力企業を募り、連携して共同研究等を行うことにより、既存デバイスの高能率加工や新規デバイスの創出を実現するための複合加工機やレーザ計測加工モジュールの製品化を目指していく」としている。
(詳細は、www.aist.go.jp)

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