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多階層光スイッチノードを実証、10Tbpsのスイッチングに成功

March 30, 2009, 東京--日本電信電話(NTT)と富士通は、光ファイバで伝送される信号を波長、波長群の異なる単位で編集・スイッチングでき、40Gbpsの2波長の信号を80Gbpsの1つの大容量信号として扱える波長バーチャルコンカチネーション機能を備えた多階層光スイッチノードを構成し、総容量10Tbpsで光スイッチングすることに成功した。
同光スイッチノードは、総務省が推進する「フォトニックネットワーク技術に関する研究開発」の一環として、情報通信研究機構(NICT)の委託を受けたもので、今回の成果は飛躍的に増大しているトラフィックに対応するために、将来目標とする100Tbps級超大容量光スイッチノードを構築するための技術として期待される。
研究成果の要点。
マルチ粒度光スイッチングの実証
多階層光スイッチノードは、新しい光スイッチ構成技術を用いて、光ファイバの信号を一括してスイッチするファイバスイッチ、複数波長を一括してスイッチする波長群スイッチ、単一波長ごとにスイッチする波長スイッチを1つのノードに組み合わせ、波長単位と波長群単位の編集・スイッチング機能を小型で、低消費電力で動作する構成。また、多階層スイッチング時に特に課題となる、光信号の強度の劣化を抑えるために、半導体光増幅器(SOA)を波長スイッチ素子として使用。
この多階層光スイッチノードを用いて、1つの光スイッチノードで切り替え・編集された全信号において、データ復号後に誤りがないことを確認し、総容量 10Tbpsのマルチ粒度光スイッチングができることを世界で初めて実証した。これは、信号誤りのない光スイッチノード容量としては世界最大。
今回の成果は、NTTが開発した、マルチ粒度光スイッチノードアーキテクチャ技術と、富士通が開発したポート拡張可能な無損失光波長スイッチ技術を用いて実現した。

波長バーチャルコンカチネーション技術の遅延差調整機能の実証
従来の技術を用いた波長群信号生成部では、1つの波長単位を1つの信号として扱っているため、40Gbpsを超える大容量データをひと塊の信号として伝送することはできなかったが、NTTの研究所では、複数で連携動作が可能な40Gbps符号化回路を開発し、その回路の2つの連携動作により、 80Gbpsをひと塊の大容量信号として扱える波長バーチャルコンカチネーション技術の遅延差調整機能の実証に成功した。
100Tbps 級の超大容量フォトニックネットワークの実現のため、マルチ粒度光スイッチノードアーキテクチャ及びそれを実現する光スイッチング要素技術の研究開発をさらに進展させる必要がある。さらに、ネットワークとして動作させるためにはネットワーク制御系との連携動作に関する研究開発が必要。
この開発は、NTT、富士通、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、名古屋大学、大分大学が共同で進めているNICT委託研究「高機能フォトニックノード技術の研究開発」における課題ア「超高速スイッチング技術の研究開発」課題イ「波長群スイッチングノード技術の研究開発」での開発の成果。
今回の実験でファイバスイッチ機能部に用いたMEMS型光スイッチは、2001年度〜2005年度に行われたNICT委託研究「光バーストスイッチングを用いたフォトニックネットワークの研究開発」における、富士通の開発成果。

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