All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

三菱電機、双方向10G-EPON試作システムを開発

February 6, 2009, 東京--三菱電機は、電話局とユーザ宅の端末をつなぐ光アクセスネットワークにおいて、上り下りともに現行システムの10倍となる10Gbpsの高速通信を実現する10G-EPON試作システムを開発した。
 現在、ユーザ宅の光回線終端装置(ONU)と、電話局の局内装置(OLT)をつなぐ光アクセスシステムは、1つのOLTで複数のONUを収容するGE-PON方式が採用されている。これを10Gbpsに高速化するには、各ONUから高速に送出される光信号を、短時間で確実に処理できるOLTの実現が課題だった。また、システムの移行には既存設備を有効活用して新たな費用を抑えることも重要で、1Gbpsの既存加入者と10Gbpsの新規加入者が混在したまま収容する必要がある。
 三菱電機は、上り下り双方向で10Gbps高速通信を実現し、業界で初めて既存と新規の両加入者を混在して収容できる「10G-EPON試作システム」を開発した。
開発内容
1.下り方向10Gbpsに加え、高速応答の上り方向10Gbps伝送を実現:1本の光ファイバを分岐させて複数のONUを収容するPON方式では、ONUからOLTへの上り方向の信号が互いに衝突しないように、時間を区切って、タイミングをずらしながらバースト状の信号として送出する時分割多重方式を採用している。このバースト信号は、ONUからOLTまでの光ファイバの距離により受信レベルの強さや波形のゆがみが異なるため、高速化するとOLTがそれぞれの信号を短時間で識別して処理することが困難だった。三菱は、これまで蓄積してきた光アクセス技術により、タイミングの変化、レベルの強弱、波形のゆがみに高速応答し、信号を的確に識別するOLTを開発し、上り方向の 10Gbps伝送を実現した。
2.伝送レート10Gbpsと1Gbpsの混在収容を実現:OLTからONUへの下り方向にWDM技術を適用し、1つのOLTで伝送レートが異なる2種類のONUの混在収容を業界で初めて実現した。1Gbpsでは従来と同じ光波長を、10Gbpsでは異なる光波長を用いるので、現行の1Gbpsユーザは、これまでのONUを交換することなく、そのまま使用できる。
3.標準規格IEEE802.3av準拠:開発した10G-EPON試作システムは米国電気電子学会(IEEE)の10G-EPON標準規格IEEE802.3avに準拠している。
 三菱電機は、「数年後の商用化を目指し、NGN(Next Generation Network)のサービスグレードにも対応できる通信品質、セキュリティー機能向上と高集積化による小型化、低消費電力化を進める」としている。

製品一覧へ

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.