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Fraunhofer ISE、多接合型太陽電池で世界最高効率41.1%を達成

January 19, ドイツ--フラウンホッファ(Fraunhofer)研究所太陽エネルギーシステムISEの研究者は、太陽光から電気への変換効率41.1%の世界記録を達成した。
 太陽光は454倍の集光度で、5mm2の多接合太陽電池に集光される。この太陽電池は、GaInP/GaInAs/Ge(ゲルマニウム基板)で作製されている。
 1999年以来、フラウンホッファISEは変成多接合太陽電池の開発を進めてきた。この太陽電池は、III-V族半導体化合物を使用したタイプの太陽電池。これらの太陽電池は、GaAsまたはGe基板上に薄いGa0.35In0.65P / Ga0.83In0.17As層を形成したものである。これらの材料は、特に太陽光を電気に変換するのに適している。ただし、これらはメタモーフィック成長によってしか形成できない。従来の太陽電池と違い、これらの太陽電池の半導体は同じ格子定数(結晶構造における原子間距離)を持っていない。このため、高い結晶性のIII-V族半導体を成長させることは難しい。異なる格子定数を持つ材料の接合点に歪があり、これが転位や他の結晶欠陥となるからだ。フラウンホッファISEの研究者たちは、この問題点の克服に成功した。研究チームは、電気的に活性化していない太陽電池部分の結晶欠陥を局所化した。これによって、太陽電池の活性部分は、比較的に欠陥フリーにとどまった。これは最高効率達成のための前提条件となる。フラウンホッファISEディレクタ、Eicke R. Weber教授は「半導体の結晶欠陥の制御がどのように技術的ブレイクスルーにつながったかを示す好例である」と語っている。
 このメタモーフィック結晶成長によって、研究者たちは多接合型太陽電池を成長させるために、遙かに大きなIII-V化合物半導体を利用することができるようになっている。この高効率の構造では、太陽光のスペクトラムは適切な光吸収材料を選ぶことにより、大きな3つの等しいスペクトラル域に分けられることは明らかだ。この方法では、3つのサブセルすべてが同じ量の電流を生み出す。直列型の太陽電池では、デバイスの電流は究極的にはサブセルの生み出す最小電流によって制限を受けるので、この点は重要だ。メタモーフィックGa0.35In0.65P / Ga0.83In0.17As/Ge材料組成を選ぶことにより、地上の太陽光のもとで完全に電流と整合のとれた太陽電池の構造が初めて選択できた。これが太陽エネルギーの変換効率を高くした理由であり、高変換効率達成のための重要な理由となる。454倍の集光度で、Freiburgの研究者たちは41.1%という世界記録を樹立した。もっと高い集光度880でも効率40.4%が計測されている。
 高効率多接合型太陽電池は、太陽直射が強い国々の太陽光発電所の集光型太陽発電システムに用いられる。

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