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FE型発光デバイスやLED計測装置などを展示

January 22, 2013, Tokyo--次世代照明 技術展が1月16〜18日に東京ビッグサイトで開催された。会場ではCNTの電界電子放出型発光デバイスといった新技術や、曲げられる導光板、シリコン撮像素子によるシャッターレスのLED温度モニターなど、新規の技術や製品が見られた。
東北大学およびDOWAホールディングスのブースでは、共同開発によるCNTを利用した電界電子放出型(FE)発光デバイスを展示していた(図1)。電場を掛けることにより、カソードのCNT末端から電子が飛び出してアノード側の蛍光体に当たり光を発する。発光効率は現在40lm/Wである。LEDには及ばないものの研究開発段階で有機ELとも遜色がないため、早い段階で追い抜くだろうという。ディスプレイ用途として一時注目されたFE方式だが、小さな画素の形成には向かないことから、大面積でまぶしくない照明が可能として照明用途を想定している。
単層CNTのサイズは直径10nm、5μm長さ程度。独自のインク化を行うとともに、焼結してCNTの末端を露出させた工程が今回の開発成功につながった。CNTインクは50〜100μmの膜厚で均一に塗布することに成功している。今回のデバイスの長所としては、電流値の安定性が高いことを確認しているほか、輝度効率が高い、低コストであるとしている。使用量は50mg/m2で材料費に占める割合は低く塗布方式のため低コストだという。真空封止が必要になることから、実用化に際しては、真空技術を持つ企業と連携して低コスト化を図ることができればとしている。
KISCOが参考出展していたのが曲げられる導光板だ(図2)。アクリル系エラストマー製の厚さ6mmの透明のシートになっており、ある程度のやわらかさによって曲げられるようになっている。1.5mmのシートを4枚積層したものに、片面にスクリーン印刷によってドットを印刷した。柔軟性および透明性が高く、また耐候、耐寒性を備えるため屋外での使用も可能だという。用途については模索中であり、ドットを大きくするとより前面に多くの光を放出できたり厚さを変更するなどの自由度がある。またレーザ方式のドット加工も可能で、これは短納期・少量製品に向くとしている。
第一メカテックは小型のLEDサーマルビジョンシステムを提案していた(図3)。赤外カメラと制御ソフトウェアが基本構成となる。LEDといった細かいものから基板など大きなものまで、時間ごとの温度変化のデータを収集する。カメラの仕様は幅広くラインナップしている。さらにユーザに合わせたシステムの構築が可能で、工場ラインの組込みなどにも対応する。シャッターレスにより、安定して長時間の温度変化を記録できることが特徴。データはCSVで出力され表計算ソフトで編集作業ができる。
赤外用素子として通常の酸化バナジウムではなくシリコンを使用したカメラを採用した。また独自のMEMS構造をとることにより、カメラ自身の温度変化を抑えているという。これらおよび独自の温度補正機能によって、通常はシャッターで熱を遮断する必要があるところを、シャッターなしで対応できるようにしたという。これにより機械的構造が減るため故障率を低減できることや、比較的長時間連続して安定したサンプリング、組込みの際の自由度が高まるといったメリットがあるとしている。


FE型発光デバイスやLED計測装置などを展示

(図1)

FE型発光デバイスやLED計測装置などを展示

(図2)

FE型発光デバイスやLED計測装置などを展示

(図3)

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