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自動車セキュリティを担うレーザビーム

 1994年以来、韓国の起亜(キア)自動車は、英リテイナグループ社のセキュリティマーキングと国際セキュリティ登録簿(ISR)への登録によって、約20万台を盗難から守ってきた。現在では、車の6つの窓への明示的なマーキングが、特許取得の最先端レーザ技術によって極めて迅速に行なわれるようになった。
 リテイナグループ社の常務取締役、ウェンディ・ロー氏は、「起亜社は、ISRに車とオーナーの詳細を登録し、かつ、われわれの固有のコードと24時間待機電話番号をガラスに明示的にマーキングすることが自動車窃盗に対する最大の抑止力になると常に認めてきた。現在、起亜社は、ステンシルと特別なマーキング液を使う従来型に代わって、われわれが開発したレーザ装置を使用してマーキングを行なっている。その結果、エッチング時間は1マークあたり40ミリ秒(ms)に短縮された。このレーザ装置は、取り扱いが極めて容易であり、非常に安全でもある」と語った。
 最新のピカントや最近市場に登場したシードなど、全ての起亜自動車のモデルに対して、同社の輸入センターにおいてセキュリティマーキングとISR登録が行われている。昨年は3万5800台の起亜車が英国で登録された。ちなみにシードは現在スロバキアで生産されている。ガラスマーキングとISR登録に必要な費用は、ユーザではなく起亜社が負担している。
 個々の車体には、起亜社のロゴ、車固有のコード、ISRの24時間対応の電話番号から構成されるマークが目立たないように印字される。ガラスへのマーキングと登録が窃盗抑止力をもつことはすでに実証済みであり、その車固有のコードは増加するクローン車の摘発にも大いに役立つ。
 マーキングされた登録済みの車を隠し持つ自動車窃盗犯は非常な危険に曝されることになる。警察、ディーラー、または一般の人からの通報によって、その車が警察の捜索対象になっているかどうか、その詳細がISRに登録されている内容と一致するか否かが迅速かつ容易に決定されるためだ。リテイナグループ社の統計によれば、このシステムによって保護されている車の盗難率は保護なしに比べて50%以上低いという。
 起亜社のアフターサービス/運用責任者であるヘイミシュ・マッカウアン氏は、「起亜社は、英国において顧客が車を購入して車を楽しめることを最優先の課題にしてきた。新たなレーザエッチングとデータ収集システムの開発によって、マーキングと登録手続全体が迅速になっただけでなく、顧客に安心を提供できるようになった」と語っている。彼はまた、「起亜社は、自動車犯罪を撲滅できるとは考えていない。自動車犯罪に立ち向かうための設計が警報とエンジンロック装置だけではなくなったということだ」と付け加えている。
 起亜社は、リテイナグループ社のマーキングとISR登録を標準として採用している英国メーカー14社のうちの1社である。このレーザマーキングシステムは、トヨタ、レクサス、シュコダでも利用されている。www.retainagroup.co.uk

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