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トランスファギアのマーキング

ジム・ローズ

自動車OEM 部品メーカーは位置決め精度、サイクル時間、マーク検証に有利なレーザマーキングを採用した。

 2004年、米プロセス・イクイップメント・カンパニー社(PECo)は、新たな6速後輪駆動変速装置のトランスファギア(変速歯車)を処理するためのインライン自動化システムならびに装置を提供する自動車OEM関連プロジェクトを請け負った。このプロジェクトには、新着トランスファギアの熱処理が指定された範囲で行われたことを確認する漏れ電流検査工程と、歯車が硬度検査に合格していることを証明する機械可読2次元(2D)マトリクスコードと人間が読めるシリアル番号とを各歯車に印字する自動レーザマーキング工程が含まれている。さらに、検証ステーションは、2Dレーザマークを読み取り、それが正しく、読み取り可能かを確かめ、歯車輸送パレット上のRFIDタグに新しい検査ならびに処理情報を書き込み、これらの情報をアーカイブへ送る。
 自動化システムには複数のシンギュレーション(個片化)装置付きの電動コンベヤが必須だ。これを利用して専用パレットを渦電流ステーション、レーザマーキングステーション、検証ステーション、RFID読み取り/書き込みステーションの間を移動させる。自動化システムには、ループコンベヤも装備されている。疑わしい部品やパレットが組立てラインプロセスに送られることがないように、各ステーションのいずれかで不合格となったトランスファギアは排出手続きに従ってループコンベヤに一時的に隔離される。その後、オペレータによって、不合格品としてラインから外されるか、加工プロセスに戻されるかが決められる。

渦電流検査工程

 複数周波数を利用する渦電流試験は、熱処理された部品の100%検査が必要である場合に実施する。このプロセスは、予測不能な欠陥を見過ごす可能性がある「抜き取り検査」や「制御法」に置き換わる。渦電流検査は、熱処理された部品を検査用の渦電流コイルを通過させるコンピュータを利用した非破壊試験(NDT)だ。この試験では複数の試験周波数を使って硬度、硬化深さ、熱処理パタンを調べる。別の周波数は、加熱試験同様に、材料の混合、熱により発生する(割れなどの)研削上の問題の確定や、要求される金属の微細組織など、パーツの再検査に用いる。
 独ローマン社の北米販社、カナダのアンデック・マニファクチャリング社が、渦電流装置、試験コイル、コンパレータコイルを提供した。
 熱処理されたトランスファギアを自動化システム固定パレット上に置いたまま試験コイル内に持ち上げられる。渦電流試験の結果は直ちにコンパレータコイル内に置かれた許容範囲のトランスファギアの結果と比較される。試験に要する時間は3秒。試験結果は参照用に記録される。熱処理チェックはそのトランスファギアが適切に、かつ必要な深さまで熱処理されているか否かの試験に100%成功した。

レーザマーキング工程

 トランスファギアのレーザマーキングは、レーザマークの位置決め精度、部品管理のサイクル時間、後述するマーク検証を統合したマーキングに関するプロジェクトの要件を満たす特注のPECo-MARKシステムを用いて実行する。
 このシステムは、トランスファギアが正しく熱処理されているという試験結果を受け取ると、それらをパレット上に置いたまま電動コンベヤに載せてレーザマーキングエンクロージャへと移送し、レーザを用いて形式と改造型毎の独自の識別番号を歯車にマーキングする。レーザマーキングの仕様は情報またはマークの機械可読2D コードと人間が読める10桁の記号列だ。
 ここでは、熱処理した表面に直に可能な質の高いマーキング能力とマーキング速度ゆえにTRUMPF VectorMarkVMc3が使用されている。機械可読2Dコードと人間が読める記号のレーザマーキングに要する時間は深くエッチングした熱処理材料でも8秒以内だ。これらのレーザマークは続くマシニング、組立て作業に送られるトランスファギアのトラッキング(追跡管理)およびトレーサビリティ(追跡可能性)と部品寿命の保証を顧客に与える。

検証工程

 渦電流試験とレーザマーキング工程後の検証段階はシステム性能に欠かせない。トランスファギアのトラッキングとトレーサビリティをうまく実現するには、そのパーツが、続く製造工程へ移送される前に2D 可読マークを検証する必要がある。パーツについての履歴情報は2D 可読レーザマークに埋め込まれ、パレット上のRFIDタグに書き込まれている。
 PECoは検証工程をレーザマーキング段階から切り離し、この操作を自動化ライン上の別のステーションに配置した。検証ステーションは堅牢で、レーザマークを読み取ることができる。
 読み取り作業はカメラ(Cognex Insight5100)、レンズ、ソフトウエアを使って行う。2D可読マークの読み取り品質を高めるために、トランスファギアはパレット上に置いたままで、パレットと共に電動コンベヤから取り上げて検証を行う。この工程は、きちんと維持管理されたTRUMP共振器によるレーザマークならば、100%効果的だ。
 このシステムの優位性は、何と言っても、PECoによる完全なターンキー方式であるという点だ。同一の主要部品の集積からなる4つの独立したシステムによって、OEM製造における冗長性が確保されている。各システムによって、メーカーはトラッキングとトレーサビリティによるインライン照合または生産ラインサイクル時間後の100%の検証/確認を行うことができる。PECoは各システムに同一の渦電流装置、マーキング用レーザ、カメラシステム、電動コンベヤ、計測装置を利用している。トランスファギアのパーツ間の差異に対しては、異なるパレット、検査コイル、コンパレータコイル、パーツセンサ、特殊プログラムで対応する。
 4つのシステムはオペレータが扱いやすい選択鍵、どのパーツであるかを示すポカヨケ(Poka-Yoke)センサ、自動プログラム変更などのインライン変更に反応する様々なトランスファギアの形式と改造型を識別できるように設計されている。

図1 カメラ検証ステーションは2D レーザマークを読み取り、それが正しくかつ可読であることを確認する。

図2 PECo で製造された4つのシステムの各々は同一の主要部品の集積であり、冗長性のある自動車OEM 製造を可能にしている。

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