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レーザは太陽よりも急速に物質を加熱できる

November, 20, 2015, London--インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の理論物理学者は、ある物質を1兆分の1秒以下で1000万度に加熱できる超急速加熱機構を考案した。
 初めて提案されたこの方法は、熱核融合の新しい研究方法に関わる。研究者は、クリーンエネルギーを生成する太陽の能力を置き換えるために熱核融合を研究している。
 提案された加熱方法は、カリフォルニアのローレンスリバモア国立研究所の世界一強力なレーザシステムを使用した核融合実験の現在のレートと比較して約100倍急速になる。
 研究者たちは、長年核融合エネルギー実現の一環として物質の加熱にハイパワーレーザを使用してきた。新しい研究では、インペリアルの研究チームは、物質を構成している粒子、イオンを直接加熱する方法を探求していた。
 ほとんどの物質を加熱するためにレーザを用いると、レーザからのエネルギーは先ずターゲット内の電子を加熱する。次にこれらがイオンを加熱するので、そのプロセスはイオンを直接狙うよりも遅くなる。
 インペリアルのチームは、高強度レーザをあるタイプの物質に放射すると、静電衝撃波が生じて、それが直接イオンを加熱することを発見した。これはNature Communicationsに発表されている。
 通常、レーザ誘起静電衝撃波はイオンを前に押しやり、衝撃波からイオンを加速して遠ざけ、加熱することはない。しかし、高度なスーパーコンピュータモデリングを使用して研究チームは、材料が特別なイオンの組合せを含んでいると、異なるスピードで衝撃波による加速が行われることを発見した。
 これは摩擦を起こし、それが次にイオンを急加熱する。その効果は、プラスチックのような2イオンタイプの固体で最強となることを見いだした。
 「2イオンタイプは、マッチとマッチ箱のように機能する、両方が必要だ」と物理学部、論文の共著者Dr Mark Sherlockは説明している。
 標的の物質が高密度であるので、加熱は極めて急速。イオンは、固体物質の通常の密度のほぼ10倍に圧縮される。静電衝撃波が通過すると、摩擦効果は、気体のように密度が低い場合と比べると非常に強くなる。
 実験的に証明されれば、この技術は非常に多くの粒子で、これまでに実験室で実証された中で最速の加熱レートとなる。
 「より高速の温度変化は、Large Hadron Colliderのような加速器のなかで原子が衝突するときに起こるが、このような衝突は単一ペア粒子間で起こる衝突だ。それに対して、提案した技術は世界中の多くのレーザファシリティで研究され、固体密度の物質を加熱する」とDr Turrellはコメントしている。