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“グラフェン”における電子の分配を世界で初観測

September, 8, 2015, 大阪--大阪大学を中心とする研究グループは、NIMSの研究者らと共同で、金属と半導体の両方の性質を持つグラフェン中に形成されたpn接合での量子ホール状態における電流ゆらぎを精密に研究し、pn接合によって電子が接合の左右に分配される様子を、電流ゆらぎとして初めて観測することに成功した。
 小林研介(大阪大学大学院理学研究科教授)と松尾貞茂(東京大学大学院工学系研究科助教)は、小野輝男(京都大学化学研究所教授)および塚越一仁(物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点主任研究者)らの研究グループとの共同研究により、金属と半導体の両方の性質を持つグラフェン中に形成されたpn接合での量子ホール状態における電流ゆらぎを精密に研究し、pn接合によって電子が接合の左右に分配される様子(電子分配過程)を、電流ゆらぎとして初めて観測することに成功した。また、pn接合がない際には、異なる量子ホール状態の接合があった場合でも電子が分配されないことも同時に明らかになった。
 グラフェンは、特異な電子構造に起因する豊富な電子物性とその応用の可能性のため、非常に注目を集めている物質。今回、グラフェンに特有の電子分配過程を実験的に検証した結果、これまでの理論が裏付けられた。このことは、グラフェンに対する理解が更に深まったことを意味し、グラフェンの将来性を広げるものである。
 今後、この成果が、グラフェンの持つ様々な電子の自由度(スピン自由度やバレー自由度)に依存したユニークなpn接合での量子ホール状態の電子分配機構の解明、pn接合を用いたグラフェン量子ホール状態の電子干渉素子の実現などに役立つことが期待される。
(詳細は、「Nature Communications」のオンライン版)