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東工大、高秩序な大面積分子集積膜の構築に成功

June, 8, 2015, 東京-- 東京工業大資源化学研究所の福島孝典教授らの研究グループは、科学技術振興機構ERATO「染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト」の染谷隆夫研究総括、理化学研究所放射光科学総合研究センターの高田昌樹主任研究員(現東北大学多元物質科学研究所教授)、引間孝明研究員と共同で、センチメートル規模の大面積でドメイン境界のない有機薄膜を形成することに成功した。
 有機薄膜は様々な応用上極めて重要であるが、それらの作製時、膜内にドメイン境界が生じ、膜の強度や電気伝導性などの機能が低下してしまうことが問題であった。研究グループは、2次元物質であるグラフェンのハニカム構造をヒントに、高秩序な有機薄膜を実現するための分子・分子集積体の空間充填デザインを考案した。これを具現化するため、3枚羽プロペラ状のトリプチセン分子を設計し、薄膜を形成した。
 大型放射光施設SPring-8の放射光X線で観察したところ、得られた薄膜にドメイン境界がないことを確認した。この有機薄膜は真空蒸着、加熱溶融状態からの冷却、スピンコートといった簡便な操作で形成できるため、電子素子の高性能化、基材の表面改質、新規分子デバイス創出など多様な応用展開が期待される。
 この成果は6月5日(米国東部標準時)発行の米科学誌「サイエンス(Science)」誌に掲載された。 
(詳細は、 www.titech.ac.jp)