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フォトアクティブ材料を透過する疑似粒子

May, 19, 2015, Karlsruhe--カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームは、光を貯蔵可能なエネルギーに変換する重要プロセスを明らかにした。
 研究チームは、ベルリンのフリッツ・ハーベル研究所(Fritz Haber Institute)、ヘルシンキのアールト大学(Aalto University)の研究者と共に、酸化亜鉛内のポラロンの形成を研究した。疑似微粒子は光活性材料内を移動して界面で電気エネルギーまたは化学エネルギーに変換される。この研究成果は、特に光起電力技術に関係しており、Nature Communicationsに発表された。
 光を貯蔵可能なエネルギーに変換するプロセスが再生可能エネルギー供給に貢献することは明らか。何十億年の間、自然は、光の助けを借り、そのプロセスを光合成に利用して糖質を形成してきた。研究では、化学プロセスを加速するために光を利用する光触媒が重要性を増している。過去数年、研究者たちは、入力太陽光を直接電気エネルギーに変換する光起電力技術で大きく前進してきており、効率は一貫して改善されている。
 しかしその基盤となるプロセスの詳細は、これまでほとんど研究されていない。KITのファンクショナルインタフェース研究所(IFG)長、Christof Wöll教授は、「フォトンの電気への変換は数段階必要だ」と説明する。まず、光が光吸収材料に吸収される。単一電子がサイトから移動させられた後にホールが残る。電子-ホールペアが安定であるのは短時間。次に、光を放出して衰えるか、相互独立に材料内を移動する電子とホールに分かれるかのいずれかである。この荷電粒子の寿命は材料に依存する。
 ほとんどの材料で、自由ホールは安定的ではないが、エネルギー損失下でいわゆるポラロンに変換される。ポラロンは特別な疑似微粒子であり、構成要素は粒子と、その環境との相互作用。形成されたポラロンは長期安定であり、光活性材料内を移動し、最終的に端面で電気エネルギーか化学エネルギーに変換される。
 研究チームは、Christof Wöll教授の指導下で、ポラロンの形成とマイグレーションを研究するために光活性酸化亜鉛材料を用いて実験を行った。実験では、世界にただ一つの実験セットアップ、赤外反射吸収分光法(IRRAS)を利用した。時間分解能は100ms。これによって酸化亜鉛単結晶の赤外スペクトルを計測し、これまで知られていなかった疑似微粒子の強い吸収バンド、つまりフィンガープリントを観察した。この新しい粒子のデータ解釈と特定は、KITの研究チームには難しく、フリッツ・ハーベル研究所とアールと大学COMPのグループと協力して、吸収バンドをいわゆるホールポラロンに明確に割り当てることに成功した。