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新スーパーコンピュータシステム「HOKUSAI GreatWave」が稼働

April, 8, 2015, 和光--理化学研究所(理研)情報基盤センターは、2015年4月1日より新スーパーコンピュータシステム「HOKUSAI GreatWave(HOKUSAI-GW)」の稼働を開始した。
 HOKUSAI-GWシステムは、RSCC(RIKEN Super Combined Cluster、2004年稼働)、RICC(RIKEN Integrated Cluster of Clusters、2009年稼働)に続く、さまざまな計算資源を結合した複合システム。
 HOKUSAI-GWの超並列計算システムの理論演算性能は1 ペタフロップス(petaflop/s)となり、RICCの約10倍の演算速度になる。
 新スパコンシステム導入の際には、1ヶ月程度のシステム全停止を伴う。また、今回の導入では、冷却装置・電力設備などの周辺設備工事も行う必要があり、半年の工事期間が見込まれた。通常、施設工事中はシステムの利用ができないが、理研では、コンピュータ室内を分割し、RICCの稼働を可能な限り継続したうえで新システムへ移行することを決め、完全な利用停止期間を2週間に短縮。さらにRICCの計算資源の一部システムをHOKUSAIシステムに組み込んで統合化し、RICCで利用していたソフトウエア資源を今後も活用可能にした。
 HOKUSAI-GWシステムは、理研の幅広い研究分野、物理学、化学、工学、生物学、医科学での利用ニーズを考慮して設計した。機能の異なる3つの演算システム、①外部記憶装置であるストレージ・システム(オンライン・ストレージ・システム、階層型ストレージ管理システム)②超並列演算システム③アプリケーション演算システム(GPU搭載、大容量メモリ搭載)を高速ネットワークInfiniBand(FDR 4X)で接続し、それらをあたかも1つの計算システムであるかのように利用できる環境を構築した。このため、シミュレーションから実験パラメータへのフィードバックや、実験データのシミュレーション利用などデータ連係を容易に行うことができ、実験とシミュレーションのスムーズな連携を可能にしている。
 HOKUSAI-GWシステムは、幅広い分野の研究開発活動をカバーするために設計され、研究者の研究開発活動のベースとなるシミュレーションやデータ解析などを効率的に行うことが可能な研究基盤システム。今回稼働したHOKUSAI-GWシステムに続き、2016年頃に「HOKUSAI BigWaterfall(HOKUSAI-BW)」が導入される予定。両システムを統合した利用環境やストレージ領域により、「HOKUSAIシステム」として一体となった運用を行い、研究者に必要不可欠な研究環境をリプレースの影響を感じさせることなくシステムを増強し、最新の計算機技術から遅れることなく利用者に提供する。
 システムの中核となるオンライン・ストレージ・システムは、ファイルシステムとしてFEFS(Fujitsu Exabyte File System)を採用し、総実効容量2.1ペタバイト(PB)、総理論帯域は190GB/sの性能を有している。階層型ストレージ管理システムは7.9PBを装備。また、超並列計算システムには、1 petaflop/sの理論演算性能をもつPRIMEHPC FX100(1,080ノード、34,560コア)を採用。さらに演算の高速化を図るため、アプリケーション演算システムには、GPU(Tesla K20Xを4枚/ノード)を搭載したサーバ30ノードと、大容量メモリを搭載したサーバを2ノード(1TB/ノード)装備し、さまざまな応用利用に対応できる構成とした。
 階層型ストレージ・システムは、HOKUSAI-GWシステムのユーザーのみならず、理研内全ての研究室を対象としたバックアップ・システム(Data Depository System;D2Sサービス)にも利用しており、大容量な研究データなどを高速かつ安全にデータ転送し、バックアップする仕組みを導入している。
(詳細は、www.riken.go.jp)