コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

超短パルス光にける非線形共鳴の問題点

March, 3, 2015, Berlin--最近のレーザの超短パルスにより、分子や固体材料における最高速プロセスでさえ時間的に分解できるようになっている。
 例えば、化学反応は原理的に10fsの時間スケールまで辿ることができる。とは言え、超高速の光振動に対して測定可能な遅延を示さない光プロセスが存在し、これは「瞬時」と言われている。この種のプロセスには、多周波入力の非線形光高調波発生が含まれる。このプロセスは一般的に、不可視の赤外光からレーザポインタの緑色生成に用いられている。こうしたプロセスは通常、損失を避けるために共鳴なしで利用される。
 マックス・ボルン研究所、バイヤーシュトラッセ研究所、ライプニッツ大学ハノーバの共同研究チームは、光高調波発生が瞬時にならない条件が存在することを初めて実験的に実証した。二酸化チタン薄膜で第3高調波発生を解析し、寿命8fs、瞬時でない振る舞いを見いだした。とは言え、このプロセスは、フェムト秒分光測定でこれまでに解析した中で最速の動作の1つと評価されている。
 このような驚嘆すべき成果の詳細な理論モデリングは、光学材料における第3高調波の共鳴がありさえすればこの非瞬間的な反応が起こり得ることを示している。同様に、生成された材料の共鳴は、励起がすでに終わった後にも共鳴が数周期続く。
 このような結果は、フェムト秒計測技術や超短パルス生成にとって重要な成果である。こうした方法は常に、高調波生成や関連の効果の瞬間的な性質に依存する。付随して第3高調波が照射される。
(詳細は、www.mbi-berlin.de)