コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

UKセントラルレーザファシリティの新しいレーザシステムLIFEtime

March, 3, 2015, Swindon--セントラルレーザファシリティ(CLF)の新しい100万ポンドレーザ応用測定器、LIFEtimeによって、DNA、タンパク質、酵素およびその他の分子の最深部の働きが明らかになる。これらの分子は、人、動物、植物内の主要な自然過程で重要な役割を果たしている。
 同期超高速赤外レーザを用いて光を照射したときの生物分子の反応や相互作用の仕方を調べることで、LIFEtimeはより優れた薬の開発基盤となる。それ以外に、画期的な細胞イメージング、微小生物分子プローブの開発基盤ともなり、これらを細胞に挿入して情報を集めることができる。
 装置は間もなく本格稼働する。バイオテクノロジーと生物科学研究カウンスル(BBSRC)の支援で開発されたLIFEtimeの他にない特徴は、生物分子がレーザパルスに最初の1ピコ秒以内にどのように反応するかを測定し、それに続いて起こる反応を1000分の1秒程度の時間尺度で評価する能力にある。この優れた「1つで2つの機能」(2 in 1)は時間とコストを節約し、検査対象試料の潜在的なダメージを最小化する。
 有効なツールとしてこの技術を確立する決め手は、計算能力の開発と応用にある。これによって、LIFEtimeが生成する膨大で、複雑なデータセットを解析し解明することができる。
 CLFのTony Parker教授は、「われわれはダイヤモンド光源によって結晶サンプルから得た補完データを統合し、これを用いてコンピュータコードを開発した。実際の生物学は、われわれの細胞で生涯機能するので、コンピュータコードは溶液研究の構造同定ツールを提供する」とコメントしている。
 また、イーストアングリア大学のSteve Meech教授は、LIFEtimeを感光性タンパク質の動力学研究に用いる。「われわれは、わずかな変化を探しており、レーザとタンパク質の最初の相互作用からその後のミリ秒までの反応を追跡したいので、非常に感度のよい計測を必要としている。LIFEtimeは安定性が高く、繰り返しレートが高いので、こうした変化を記録することができる。これによってわれわれは、タンパク質の機能理解を大きく前進させることができる」と語っている。