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量子物理学で偽造防止クレジットカードが可能に

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December, 22, 2014, Enschede--トゥエンテ大学(University of Twente) MESA+とアイントホーフェン工科大学(TU/e)の研究グループは、複製不能な対象物認証方法を共同開発した。
 技術者は、銀行カード、クレジットカード、IDカード、それに、例えば車のロックを手に入れようとする悪意の人々と絶えず戦っている。銀行カードでは、磁気ストライプが小さなマイクロプロセッサと暗号を持つチップに置き換えられているが、チップは、それでも複製でき、ハッカーは付随の暗号を解読できるようになった。自動車泥棒も最近、デジタルドアロックを自分の目的に適合するように変えて車を盗むことができる。この目的達成には、キーの複製を使うのではなく、PCで武装して、錠と鍵が行う「質問-応答」ゲームを真似ることで可能になる。
 両大学の研究チームは、カードをハックしたり、その特性を模擬したりすることが不可能な方法を開発した。たとえ悪意を持つ者が、カードの完全な構造など、全ての必要な情報を自由にできたとしても真似できない。この方法は、フォトンは同時に複数の位置に存在することができると言う量子物理学を利用する。この事実は、量子物理学の基礎をなす、有名なダブルスリット実験で知られている。
 カードは、数100万のナノ粒子を含む乾いた白色ペイントの極薄層を持っている。光粒子をそのペイントに送り込むと、フォトンはナノ粒子の間を飛び跳ね、最終的には逃れる。銀行が個々の取引(質問)に固有の複雑なパタンの光ドットをペイントに送り込むと、それはその表面で逃げていく光粒子(応答)の新たな固有パタンを検出することができる。ドットのこのパタンが正しければ銀行はカードを承認する。
 銀行が単なる光ドットよりも遙かに多いフォトンで「通常」の光をここで使用すると、攻撃者は実際のカードとアタッカーの信号との違いが分からなくなるように、例えばプロジェクタで入ってくるドットパタンを計測し正しいドットパタンを返すことができる。研究チームの巧みなソリューションは量子物理学から来ている。フォトンは同時に複数の場所に存在可能なので、光ドットよりも少ないフォトンで構成されるパタンをペイントに送ることができる。銀行が単一の「量子」フォトンをペイントに送ると、反射されるパタンは、放出したフォトンの数よりも多くの情報、つまり光の点を持っているように見える。「質問」を傍受しようとしているアタッカーは光の量子特性を破壊して、取引の認証に必要な情報の一部しか取得することができない。
 つまり、十分なフォトンが存在しないので、アタッカーはもはやパタン全体を計測することはできない、したがって銀行が問う質問を知ることができない。すると、どの答を返せばよいのか分からなくなる、一方銀行はたった1つのフォトンであっても答をチェックすることができる。
 この研究のリーダー、Dr Pepijn Pinkse教授によると、これは、例えば政府の建物、銀行カード、クレジットカード、IDカード、車などに適したセキュリティを提供することができる独自の方法である。「量子安全認証(QSA)と言うわれわれの方法で最もよい点は、暗号が必要でないことだ。したがって、こっそり盗まれることもない」。QSAは、簡単であり、すでに使える安価な技術であるので、様々な状況で比較的簡単に利用できる。ペイント層は安価であり、簡単に塗布でき、読み出し装置は簡単なレーザ(CDプレイヤのような)、簡単なイメージセンサ、最近のプロジェクタにあるように画像形成チップでできている。