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コンピュータチップのエネルギー効率でブレイクスルー

June, 2, 2023, Corvallis--オレゴン州立大学とベイロア大学の研究者は、データセンタやスーパーコンピュータで使用されるフォトニックチップのエネルギー消費を下げるブレイクスルーを達成した。

研究成果は重要である。米国エネルギー省(DOE)によると、データセンタは、一般的なオフィスビルに比べて、フロアスペース平方フットあたり最大50倍のエネルギーを消費するからである。

データセンタは、組織の情報技術オペレーションと装置を収容している。データとアプリケーションを蓄積、処理、広める。データセンタは、DOEによると、USでは全電力利用の約2%を占める。

この進歩は、フォトニックチップを劣化させる温度変動を補正するための新しく、非常にエネルギー効率の高い方法に関与している。そのようなチップは、「将来のデータセンタやスーパーコンピュータの高速通信バックボーンを形成する」と、OSU工学部、John Conleyは話している。

フォトニックチップの回路は、従来のコンピュータチップを駆け巡る電子よりもフォトンを使う。フォトンは、光の速度で移動するので極めて高速、エネルギー効率の優れたデータ伝送を可能にする。

これまで、フォトニックチップの問題は、温度を安定に、高性能に保つために大きなエネルギーが必要だった。しかし、Alan Wangをリーダーとするチームは、温度制御に必要なエネルギーを100万倍下げることが可能であることを示した。

Conleyによると、Alanはフォトニック材料とデバイスの専門家、Conleyは原子層蒸着と電子デバイスの専門家。「われわれは、ゲート電圧で温度制御ができる実用的なプロトタイプを造ることができた。つまり、実質的に電流を使わない」(Conley)。

現在、Wangによると、フォトニクス産業は、もっぱら、「サーマルヒータ」として知られるコンポーネントに依存して、高速、光電デバイスの実用的な波長を微調整し、パフォーマンスを最適化している。これらのサーマルヒータは、デバイス当たり、数mWの電気を消費する。

「一般的なLED電球が6~10W消費することを考えると、たいしたことではないようの聞こえるかも知れない。しかし、そのような数mW×数百万のデバイスにより、電力は急速に増加する。システムが拡張されるにつれて、ますます大きく、強力になると、そのアプローチは、問題に直面するのである」(Wang)。

(詳細は、https://today.oregonstate.edu/)