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超高速光スイッチング、超高速光ベースエレクトロニクスに扉を開く

April, 13, 2023, Tacson--アリゾナ大学の研究者をリーダーとする国際研究チームは、アト秒速度で光信号のスイッチングを達成し、以前には到達不可能だったデータ転速度に到達した。

アリゾナ大学、物理学と光科学准教授、Mohammed Hassanは、Science Advances掲載論文「合成された光場で、超高速光スイッチングとデータエンコーディング」を主導した。アリゾナ大学物理学ポスドク研究助手、Dandan Hui、および院生Husain Alquattan、オハイオ州立大学とルートヴィッヒマクシミリアン大学ミュンヒェンの研究者も同論文に寄与している。

エレクトロニクスにおける半導体は、マイクロ波により伝送される電気信号で電気とデータの流れをスイッチする、”on” または “off.”のいずれかである。Hassanによると、エレクトロニクスの未来は、代わりに光を使って電気信号を制御する。「光トランジスタ」の確立、超高速光エレクトロニクスの開発に扉を開く。

Hassanによると、世界最高速のトランジスタは、800GHz以上のスピードで動作可能である。その周波数でのデータ転送は、ピコ秒スケールである。

半導体トランジスタの導入以来、コンピュータ処理能力は、着実に高まっているが、Hassanによると、より高速の技術の開発で主要な問題の一つは、トランジスタをマイクロチップに増やし続けることによって発生する熱が、最終的に、チップを通過できるよりも多くのエネルギーを使って冷却を必要とするようになることだ。

論文では、Hassanとチームは、光信号オンとオフにオールオプティカルスイッチングを使って、アト秒時間スケールで測定したペタヘルツを超えるデータ転送速度達成を議論している、アト秒は、最高速の半導体トランジスタよりも100万倍高速にデータを転送することを意味する。

光スイッチは、半導体トランジスタベースの技術のスイッチよりも高速に情報を処理できることを示しているが、研究チームは、1秒の数十億分の1秒スケールで動作する光源から信号のオンとオフを記録することができた。これは、オプティクスで使われることが多いガラス、溶融シリカの特性を活用することで達成された。溶融シリカは、瞬時に反射率を変えることができ、超高速レーザを使ってチームは、アト秒スケールで光の信号の変化を記録することができた。この成果は、光により、オンとオフを表す”one” と “zero”の形でデータを送れることも実証している、これは以前には不可能なスピードである。

「この新しい進歩により、超高速レーザパルスにデータをエンコードすることが可能になる、これはデータ転送速度の高速化であり、地球から深宇宙までの長距離通信で使用できる。これは、データ処理、情報エンコーディングの制限速度向上、情報気出の新しい世界を開くことを約束する」とHassanは話している。
(詳細は、https://news.arizona.edu/)