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Science/Research 詳細

発光式円偏光コンバータの開発に成功

January, 27, 2023, 京都--京都大学、岡﨑豊エネルギー科学研究科助教、木村美咲 同修士課程学生(研究当時)、佐川尚 同教授らの研究グループは、円偏光純度と明るさを両立させる「発光式円偏光コンバータ」の作製に成功した。
 円偏光とは、光強度(明るさ)や波長(色)に加えて偏光情報(右 or 左巻き)をもつ特徴的な光。近年は、植物の成長速度や太陽電池の変換効率に対する円偏光照射効果が報告されており、非偏光(太陽光など)から円偏光を生成する技術に関心が集まっている。
 研究グループは、偏光度と明るさの両立が原理的に可能である直線偏光発光(LPL)に着目し、LPLと位相制御を組み合わせた「発光式円偏光コンバータ」を作製することで、既存の方法では困難とされてきた円偏光純度と明るさの両立に成功した。また、LPLフィルムと位相差フィルムの貼合せ角度の調節により、円偏光純度・明るさ・スペクトル形状(色)を変えることなく、偏光(左 or 右)のみを変更できることを実証した。さらに、LPLフィルムの多層化により、既存の円偏光フィルタでは不可能であった、発光機構(光の足し算)を活かした光情報の多重化にも成功した。

 研究成果は、2022年12月16日に、国際学術誌「Journal of Materials Chemistry C」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)