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Science/Research 詳細

UAH、超高感度光センシング機器を開発

August, 19, 2022, Huntsville--アラバマ大学(UAH)の博士課程学生が新しい種類の超高感度光センシング測定器を開発した。

Mach Zehnder-Fabry Perot (MZ-FP)というハイブリッドファイバ干渉計は、現在、利用可能な2タイプの干渉計の利点を統合し、コンパクトで高感度にした。

Dr. Nabil Md Rakinul Hoqueによると、精密計測デバイス、干渉計は、2つの光ストリーム間の計測可能な干渉パタンを作ることによって機能する。2つの石を池に投げてできる2つの波の衝突のようなものと考えることができる。

Dr. Duanによると、テストでは、MZ-FP干渉計は、幅広い範囲の周波数で記録破りの歪分解能を達成した。

「この研究で、最も重要なインパクトは、パッシブファイバセンサで、前例のないレベルの歪分解能達成に実行可能な道を提示していることだ。そのようなレベルのセンシング分解能によりファイバオプティクセンサは、現在可能なよりも遙かに弱い信号を拾え、ファイバオプティクセンサのアプリケーションを著しく拡大できる」(Dr. Duan)。

Dr. Hoqueによると、既存技術では、これまで検出できなかった極めて弱い信号を検出することで、その測定器は幅広い範囲のアプリケーションで有用になる。同氏は、Nature論文の筆頭著者。

「これは、地震の早期予測、大量破壊兵器のモニタリング、気候変化研究では氷山の動きの検出、音響医療診断などに可能性を開く」。

UAH開発の干渉計は、1フェムト歪分解能を達成、つまり1mの10億分の1µmの変化を検出できる。

「新しい干渉計の主要な特徴は、前例のない高い信号分解能である」。Dr. Hoqueによると、新しい技術に基づいた光干渉計は、医療分野にアプリケーションがあるかも知れない。「例えば、われわれのハイブリッド干渉計ベースの音響センサは、人の健康状態を明らかにする、非常に弱い生理学的音響信号を拾える可能性がある。そのような信号は、弱すぎて現在のセンサでは検出できない」。

一般に、2種類の干渉計が利用できる。

「第1は、キャビティ/共振器ベースの干渉計で、干渉計から特殊な共鳴周波数をパスあるいは反射する」

コンパクトサイズにもかかわらずこの種の干渉計は、使用ミラーの高反射性により非常に長い有効光パス長となる。FP共振器は、この種の干渉計の実例である。

「干渉計の第2のタイプは、共通パスおよび/またダブルパス構成をベースにしている。この種の干渉計の感度は、そのアームの長さに依存する。アーム長が長ければ長いほど、干渉計の感度はますます高くなる」(Dr. Hoque)。

アーム長は、数10あるいは数100メートルを超える必要があるので、このタイプは非常に大きくなる。MZおよびマイケルソン干渉計は、伝統的なダブルパス干渉計の例である。

「この論文では、われわれは、光共振器ベースの干渉計、つまりFPタイプダブルパス干渉計、MZタイプに埋め込む新しいタイプの干渉計の開発を報告した」(Dr. Hoque)。

「新しいハイブリッド干渉計は、通常のMZIsよりも遙かに優れた信号分解能を達成することができる。これによりわれわれの干渉計は、両タイプの干渉計の利点を持つことになる」。
 Dr. Hoqueが開発したファイバセンサは、超低周波範囲から超音波範囲までの広い周波数で、新たな分解能記録を達成し、全てのファイバオプティクセンサの基本的限界、いわゆる熱雑音限界達成に成功した。
(詳細は、https://www.uah.edu/)