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治療が難しいガンを殺す新しい分子を発見

August, 5, 2022, Dallas--テキサス大学ダラス(UT Dallas)の研究者により合成された新しい分子は、以前には他の薬剤で標的にされていなかった細胞の弱点を利用して、幅広い範囲の治療が困難なガンを殺す、これにはトリプルネガティブ乳ガン(TNBC)が含まれる。

単離細胞、ヒトのガン組織およびマウスで成長させたヒトのガンで実行された研究の成果は、Nature Cancerに発表された。

研究の共同責任著者、UT Dallas、自然科学&数学部、化学&バイオケミカル准教授、Dr. Jung-Mo Ahn,は、10年にわたり細胞のタンパク質間相互作用を標的にした小さな分子の設計に熱心に取り組んできた。構造ベース合理的薬剤設計というアプローチを利用して同氏は、治療抵抗性の乳ガン、前立腺ガンの潜在的な治療候補化合物を以前に開発した。

現在の研究では同氏とチームは、エストロゲンレセプタ(ERs)を含むものと含まないものの両方の乳ガン細胞に対する効果のために同氏が合成したERX-41という新しい化合物をテストしている。ER陽性乳ガン患者には利用できる効果的な治療があるが、トリプルネガティブ乳ガン(TNBC)の患者には治療オプションはほとんどない。これにはエストロゲンのレセプタ、プロゲステロン、ヒト上皮成長因子2のレセプタが欠如している。TNBCは、一般に40歳以下の女性に影響を与えるが、他のタイプの乳ガンよりも結果は不十分である。

「ERX-41化合物は、健康な細胞を殺さないが、腫瘍細胞を絶滅させた。ガンがエストロゲンレセプタを含むか否かは関係なかった。実際、それはER-陽性細胞よりもトリプルネガティブ乳ガン細胞の方を殺した」(Ahn)。

「その時点では、これはわれわれにとっては不可解だった。それは、TNBC細胞のエストロゲンレセプタではない何かを標的にしなければならないことが分かっていたが、それが何であるかは分かっていなかった」。

ERX-41分子を調べるために、Ahnは協力者とともに研究を進めた。

研究チームは、ERX-41がリゾソーマル酸リパーゼA(LIPA)と言う細胞タンパク質に結合していることを発見した。LIPAは、小胞体という細胞構造に見つかる。これはタンパク質を処理、折り畳むオルガネル。

「腫瘍細胞が迅速に成長するには、それは多くのタンパク質を作らなければならない、これは小胞体にストレスを与える。ガン細胞は、過剰にLIPAを作る、健全な細胞よりも著しく多い。LIPAと結びつくことで、ERX-41はタンパク質の処理を小胞体に押し込む、これが膨らむと、細胞死となる」(Ahn)。

「トリプルネガティブ乳ガンは、特に潜行性である、それは若い女性をターゲットにしている、アグレッシブであり、治療抵抗性である。これらの患者に大きな違いをもたらす可能性があるものを発見したことは、実に喜ばしい」とDr. Jung-Mo Ahnはコメントしている。

研究チームは、その化合物をヒト型ガン性腫瘍を持つマウスに与えた、すると腫瘍は小さくなった。その分子は、腫瘍を除去した患者から集めたヒト組織のガン細胞破壊でも効果を証明した。

研究チームは、ERX-41が、小胞体ストレス上昇の他のガンタイプに対しても効果があることを確認した。これは治療が困難な膵臓ガン、卵巣ガン、グリオブラストーマが含まれる。グリオブラストーマは、致死性源発生脳腫瘍である。

Ahnは、ERX-41および関連の化合物の特許、申請中の特許の共同所有者。特許は、ダラスのスタートアップEtiraRXにライセンス供与された。同社によると、2023年第1四半期早期にERX-41の臨床試験を開始する予定である。
(詳細は、https://news.utdallas.edu)