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自己組織化レーザでスマートフォトニック材料が可能に

July, 29, 2022, London--生命体の特徴を模倣することで自己組織化レーザは、センシング、コンピューティング、光源やディスプレイの新材料になる。

多くの人工材料が特性を進歩させてきたが、状況に適用できる生体を構成する物質の多様性と機能を統合するには道のりは長い。

例えば、人の身体の骨や筋肉は、継続的にその構造や成分を再組織化して、変化する体重や活動レベルをよりよく維持できるようにする。

今回、Imperial College LondonとUniversity College London(UCL)の研究者は、初の自己組織化レーザを実証した。これは、状況が変化すると構成を変えることができる。

Nature Physicsに発表されたそのイノベーションは、生体物質の特性、応答性、適応性、自己回復、集団行動などをうまく真似ることができるスマートフォトニック材料の開発を可能にする。

構造と機能の混合
インペリアル物理学部、Riccardo Sapienza教授は、「レーザは、結晶材料から設計され、精密かつ静的な特性を持っている。生体物質のように自己再構成、協働するために、構造と機能性を融合できるレーザを作ることができるかどうか自問した」と論文の共著者は、話している。

「われわれのレーザシステムは、再構成、協働できる。したがって、生体を構成する物質に典型的な構造と機能性の間の絶えず進化する関係をエミュレートするための第一段階を可能にする」。

レーザは、光を増幅して光のスペクトル形態を生成するデバイス。チームの実験では自己組織化レーザは、高い‘gain’、光増幅能力を持つ液体中に分散した微小粒子で構成されている。これらの微小粒子が十分に寄り集まると、レーザ発振に外部エネルギーを利用し、レーザ光を生成できる。

外部レーザを使って‘Janus’粒子(片面が吸収材料で被覆された粒子)、その周りに微小粒子が集まった。これらの微小粒子クラスタによるレーザ発振は、外部レーザの強度を変えることでON/OFFできる。これは、今度は、クラスタのサイズと密度を制御する。

次世代材料
チームは、レーザ発振クラスタが、様々なJanus粒子を加熱することで、どのように空間に移行されるかを示し、そのシステムの適応性を実証した。Janus粒子は、協働して、単なる2つのクラスタの加算を超える特性を備えたクラスタ、形状を変え、レーザ出力をブーストするクラスタを作ることができる。

共著者、UCL化学学部、Dr Giorgio Volpeは、「現在、レーザは、医療、通信、産業製造で当然のように使われている。生命のような特性を持つレーザを具体化すると、ロバスト、自律的、耐久性の高い次世代材料やデバイスが可能になる。センシングアプリケーション、非従来型コンピュータ、新しい光源やディスプレイなどだ」とコメントしている。

次にチームは、さらに生命のようにするために、そのレーザの自律動作を改善する方法を研究する。その技術の最初のアプリケーションは、スマートディスプレイ向けの次世代電子インクが考えられる。

(詳細は、https://www.imperial.ac.uk)