コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

光と環境条件次第で多様な画像を生成する新デバイス

May, 24, 2022, Washington--University of St. Andrewsの研究チームは、新しいメタサーフェスベースのデバイスを開発した。これは、周辺媒体、使用される光の波長に依存して多数の明確なホログラフィック画像を生成できる。適切な一組のキーでのみ回復する情報を蓄積できることは、例えば、湿潤状態と組み合わせた、ある光波長など、これはさらに開発を薦め、簡素であるが、効果的な暗号化デバイスを設計することができる。

UK、セントアンドルー大学、研究チームリーダー、Andrea Di Falcoは、「われわれの新しいメタサーフェスは、デバイス表面周囲の環境を即時かつ簡単な読み出しを可能にする。暗号化アプリケーションだけでなく、湿度センサ、あるいはもっと複雑な光ベースの生物医学システムの一部として使用できる」と説明している。

Optics Expressに発表された論文で研究チームは、ドライ状態で705-nmの光でホログラフィックバタフライ、750-nmの光が湿潤状態と結びつくとキャタピラが現れるデバイスを実証している。660-nm光がドライ状態で使用されると、両方の画像が見える。メタサーフェスの選択的応答は、様々な事前プログラムされた状態で動作するように調整できる。

「われわれのホログラフィックデバイスは、物理学やフォトニックメタサーフェスのアプリケーションを開発する世界的な取組に貢献する。フォトニックメタサーフェスは、研究者が光を使って情報をエンコードし操作するために利用できる最も多様なフォトニックツールの1つである」とDe Falcoは話している。

多機能メタサーフェス
その新しい成果は、可視光で動作するフォトニックメタサーフェスを開発するDi Falcoチームの進行中の取組の一部である。これは、ウエット環境に関与することが多いバイオメディカルアプリケーションに利用できる。

「ホログラフィックメタサーフェスは、特に興味深い。直ぐに解釈できる画像を生成することで複雑な情報を供給するために使えるからである。付加的な層は不要である。われわれは特に、様々なフォトニック機能を1つのデバイスに統合することに関心を持っている」(Di Falco)。

ホログラフィックメタサーフェスは、反射、透過する光の特性に依存して詳細な画像を作ることができる。一つ以上の画像をエンコードするホログラフィックメタサーフェスを造るためにチームはピクセルのように機能する2つのタイプのメタ原子を使った。一つのタイプのメタ原子は、ドライ条件で特別な波長の光を反射するだけであるが、他のタイプは、別の波長がウエット条件で使用される時にのみ高い反射性を示す。

「われわれは、比較的簡素な共振メタ原子形状を設計した。これは、環境条件に対してホログラフィックメタサーフェスの応答を強化する。また、周囲媒体の屈折率を利用する効果的な方法である。メタサーフェスに多重情報をエンコードできる付加的な自由度として利用する」(Di Falco)。

鮮明な画像をデモ
研究チームは、空気中および水中で異なる波長でその効率を定量的に計測し、ホログラフィックメタサーフェスの反応を評価した。メタサーフェスは、画像間の非常に優れたコントラストを生成し、クロストークはほとんどなかった。別言すれば、各パラメタでただ一つの画像が見えた、これは二段階の情報エンコーディングの証明であった。

次に、研究チームは、メタ原子の選択性を強化する計画である。これは、非常によく似た光学特性をもつ異なる媒体間を区別するメタサーフェスを造るためである。これは、特殊物質の異なる濃度に触れたときに異なる画像を生成するホログラフィックセンサの実現に使える。