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小さく複雑なガラス製コンポーネントを数分で3Dプリント

May, 20, 2022, Freiburg--ガラスは、傑出した透明性、熱や化学薬品と接触した際に安定性があるので、多くのハイテクアプリケーションに関連している。しかしガラス成形の従来プロセスは、退屈、エネルギー集約的、小さくて複雑なコンポーネントで直ぐに限界に達すことがよくある。
 フライブルク材料科学、Dr. Frederik Kotz-HelmerとDr. Bastian E. Rapp教授は、米国UC Berkeleyと協力して、新しいプロセスを開発した。これは、透明ガラスから非常に小さなコンポーネントをマイクロ3Dプリンティングを利用して、迅速かつ精確に造ることができる。研究成果は、Scienceに発表された。

プラスチックバインダ内にガラス粉末
 その新技術は、いわゆるGlassomer材料をベースにしている。これは、フライブルク大学、マイクロシステムエンジニアリング学部(IMTEK)でKotz-HelmerとBastian E. Rappが開発した。「Glassomer材料は、特殊プラスチックバインダ内のガラス粉末でできており、ガラス加工はプラスチックのようにできる」(Kotz-Helmer)。結果としてのコンポーねとは、次に炉に入れてプラスチックを燃やし、ガラスが焼結される。つまり高密度化される。「最終的に、コンポーネントは、100%の高い透明性の溶融シリカガラスとなる」と同氏は説明している。

コンポーネントはシングルステップで作製される
フライブルクの研究者は、Glassomer材料と、UC BerkeleyのDr. Hayden Taylor教授が開発した新しい3Dプリンティングプロセスを統合した。従来のス3Dプリンタは、物体を層ごとにプリントする。しかし、新しいプロセス、Computed Axial Lithography (CAL)では、コンポーネントはシングルステップで製造される。液体、感光性材料を入れた容器は、多くの異なる角度から、プリントされることになっている物体の2D光画像に晒される。画像がオーバーラップし、吸収される光の量が、局所的にある閾値を超えると、材料は突然硬くなる。数分以内に、コンポーネントが形成される。まだ液体材料のままの余剰部分は、洗い落とすことができる。

髪の毛サイズの構造
「原理的に、このプロセスはGlassomer材料に適している」(Kotz-Helmer)。この目的でフライブルクの研究者は、ガラス粉末とプラスチックでできた材料を開発した。これは、高い透明性があり、適切な閾値で素早く硬くなる。「ここで、厄介なことは、化学的内容である」と材料科学者は言う。以前、CALプロセスは、比較的粗い構造にしか適していなかった。フライブルク大学の材料科学専門技術とプロジェクトパートナー、フライブルクのスピンオフ、Glassomer GmbHを結びつけ、UC Berkeleyのシステム技術をさらに開発し、今では、これらの技術を統合して改善することが可能になった。「初めてわれわれは、50µm範囲の構造のガラスをわずか数分でプリントすることができた。これは、ほぼ髪の毛の細さに対応する。加えて、コンポーネントの表面は、従来の3Dプリンティングプロセスよりも滑らかである」(Kotz-Helmer)

脆弱なプラスチックの代用としてのガラス
Kotz-Helmerは、その革新的製法の可能なアプリケーションは、例えば、センサ用の微細光学コンポーネント、VRヘッドセットや最新の顕微鏡にあると見ている。「そのようなコンポーネントを高速、大きな形状自由度で製造できることで、将来、新しい機能やよりコスト効果の高い製品が可能になる」。

マイクロ流体チャネルは、研究や医療診断向けのいわゆるlab-on-a-chipシステムでも必要とされている。これまで、こらは、ほとんどがプラスチック製だったが、高温や侵襲性の強い化学薬品に耐性がなかった。新しいプロセス技術により、今後は、複雑なチャネルシステムがガラスで製造できる。「ガラスの熱や化学薬品に対する安定性により、多くの新分野への応用が開かれる、特に化学的on-a-chip合成領域である」とKotz-Helmerは、コメントしている。

(詳細は、https://kommunikation.uni-freiburg.de/)