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超ハイパワーレーザ向けホログラフィックプラズマレンズ

April, 28, 2022, Livermore--LLNLニュースリリースによると、NIFで、世界最高エネルギーレーザシステム、複雑な一連のガラスオプティクス(増幅器、ミラー、波長コンバータおよび集束ビームを含む)が、レーザ光を強め、その目標まで誘導する。
 長年、研究者は、NIFの強力なレーザビーム画生成する強いエネルギーに耐えられるようにこれらのオプティクスを開発、改善してきた。

しかし、最も耐久力がある固体オプティクスでさえ、現在LLNLや世界どこかで開発中の次世代の超高強度、高繰り返しレートのレーザが生み出すエネルギーに対処できない。現在、最先端の10ペタワット(PW)のレーザは、1000PWのピークパワー、太陽から地球が受けるパワーの5倍以上、を生み出す100PW、エクサワットレーザにより、間もなく影が薄くなる。

これら超高速、超ハイパワーレーザを可能にするのに役立てるために、リバモアの研究者たちは、従来の固体オプティクスが課された最大フルエンス(エネルギー密度)の限界を克服するために、プラズマ(イオンと自由電子の荷電混合)からレーザオプティクスを構築する方法を探求している、プラズマオプティクスにより大量のエネルギーは、よくコリメートされた(集束)ビームで、小さな空間と時間に方向付けられる。

プラズマはガラスよりも遙かに高いオネルギー密度を持つので、非常に高い光密度に耐えられる。様々な標準光コンポーネントのプラズマベースの置き換えにより、極端フルエンスで光の操作が可能になり、より高いレーザ強度とエネルギーに扉を開く。

これの一例は、Physical Review Lettersに論文が発表されている。LLNLポスドク、Matthew Edwardsのチームが、ロバストなホログラフィックプラズマレンズの構築へのアプローチを紹介している。これは、「プローブレーザを非イオン化(固体)光学系の限界を数桁上回る強度で集束、コリメートすることができるレンズ」。

「強力なレーザ向けのガラス集束光学系は、損傷を回避するために大きくする必要がある。レーザエネルギーは、局所強度を低く保つために広がる。プラズマは、固体材料よりも光損傷耐性が遙かに高い。また、プラズマから構築された光学系は、したがって、ガラスから作られたものよりも1000~100万倍小さくできる」。

プラズマ光学系に対するLLNLの取組は、クロスビームエネルギー伝達(CBET)制御のために、研究者による長年の努力に密接に関係している。これは、オーバーラップするレーザビーム間のエネルギー交換。つまりビームがNIF空洞のレーザエントランスホールに入る時である。CBETは、空洞プラズマでクレーティング、回折光学系になる。これは、入力レーザを対称爆縮を実現に必要なところへ方向付けるために波長チューニングにより、操作できる。

「集束にプラズマを使うわれわれの新しいアプローチは、回折ベースである、ホログラム、つまりゾーンプレートのようなものであり、従来のレンズ設計のような屈折率ではない。回折はプラズマオプティクをプラズマ密度における不完全性の影響を受けにくくする、この点は重要である。一般に、光学的に精密な構造を備えたプラズマを作ることは難しいからである」(Edwards)。

研究者の論文によると、「ホログラフィの一般性とは、ホログラフィックプラズマオプティクスが、ほぼ任意に高強度レーザを操作できると言う意味である。これらのメカニズムは、単純なレンズの作製に限定されない」。

ホログラフィックプラズマレンズを作るために、2つの前方励起ポンプビームがガスジェットに打ち込まれる。干渉パタンが、3D屈折率構造を結果としてのプラズマにインプリントし、密度変化を誘発する。これは、マルチペタワットスケールのレーザビームを損傷なしに集束できる回折レンズとして機能する。

研究チームは、2つのプラズマメカニズムのコンピュータシミュレーションにより、そのコンセプトをテストした。空間的に変化するイオン化では、レーザ密度の変化が、イオン化されたおよび非イオン化ガスの静的領域を作る。また、電子とイオンとしてのプラズマで起こるイオン密度変動は、高エネルギー強度のエリアから低強度のエリアに引き下ろされる。

プラズマオプティクスは過渡的であり、ガスから生成されるので、これらのレンズは特に高繰り返しレートレーザシステムによく適合している。例えば、LLNL開発のチェコ共和国L3-HAPLSレーザ、潜在的な慣性核融合エルギーシステム。

「プラズマ非線形性を使って、効率的な高い損傷閾値の屈折プラズマレンズを創ることができる」と研究チームは結論づけている。シミュレーションの示唆するところでは、そのレンズの強度損傷閾値は、イオン化メカニズムでは、10^14 W/cm2からイオン密度メカニズムで10^17 W/cm2。

「要求されるプラズマは、プラズマグレーティングで実験的に達成されたものと同じである、またこの設計のレンズは、近い将来、実現される可能性がある」(Edwards)。

(詳細は、https://www.llnl.gov)