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UCF開発のリアルタイム血液モニタ、手術中の貴重な時間を節約

April, 25, 2022, Orland--セントラルフロリダ大学(University of Central Florida)とOrland Healthの研究者が開発した革新的デバイスは、心臓外科のような生死に関わる手術中に医師の貴重な時間を節約する。

リアルタイム血液モニタは、瞬時に血液を分析する。外科医は、多くの手術で、血液凝固のような問題が発生しているかどうかなど、致命的な問題を知ることができる。

現在のテストは、最大30分かかる。毎秒が重要な時に結果を待つ時間が長すぎる。これは、幼児のような患者の手術中では特に重要である。

Soft Matterに発表された研究チームの最新の研究は、デバイスがどのように機能するかを定量評価し、その有効性をさらに検証する数値モデル。

「現在、心臓手術を受けている患者の血液が心肺装置で凝血塊を形成しないほど薄いかどうかを判定したいなら、手術中を通して、患者から周期的に血液を抽出し、それをらラボへ送ってテストしなければならない」とオーランドHealth Arnold Palmer小児病院、使用に外科医、研究の共同著者、William DeCampliは言う。

「そこには2つの問題がある」と外科の教授、DeCampliは言う。「まず、われわれは、周期的に患者から血液を採っている。また、患者が新生児なら、血液損失が多くなりすぎることで患者に問題が発生するため、多くの血液をとらない。二番目に、これらをテストに出すと、答が返ってくるまでに20分、30分かかる。長すぎる」。

DeCampliは、2017年以来、UCFのオプティクス&フォトニクス学部、Pegasus教授、Aristide Dogariuと共同して血液モニタを開発している。デバイスは、すでに臨床試験通過に成功しており、次の臨床試験は今年に予定されている。

提携は、UCFでの会議の結果である。そこで、DeCampliは、Dogariuの研究を知った。レーザからの光散乱を使って様々な流体や混合物の厚さを計測する研究である。

それ以来、そのオプティクスベースの血液モニタは、ラボ内テスト、次に臨床試験に移行し、その結果は、Nature Biomedical Engineeringに掲載された。

そのモニタは、非常に小さな光ファイバを使用して、血液の状態を評価する。これは、人工心肺装置、あるいはカテーテルのチューブに直接挿入でき、患者から血液を抽出する必要はない。

最新の研究でチームは、赤血球を取り囲む血漿の機械的特性を定量化することができることを証明している。これは、血液が凝固を始めているかどうかを判定するために使う光の変動を説明するためのカギになる。

そのモデルは、ラボ制御条件、自然的、固有のプロセスと外部介入の両方に関わる臨床環境のミクロレオロジー計測で検証された。

DeCampliは、「現在の研究で実に素晴らしいことは、Dr. Dogariuと彼のチームが、血液の機械的挙動を特徴付ける2つの基本的量と計測との間に実際に、かなり直接的な関係があることを実際に示すことができていることだ」とコメントしている。

「これは、技術が広くリリースされるようになると利用できる基本的な情報である」とDogariuは話している。

「われわれは、われわれが収集した実験結果によって基本的に確認されたモデルを開発した。血流の実際の変換に極めて敏感にみえる計測を行ったが、今度は、その変化に数値を与えることができる」(Dogariu)。

その研究によりチームは初めて、その計測を血液で実際に起きていることに関連付け、血流で赤血球が「グルグル」回るような変化を説明できる。

Dogariuは、「これは、このコンセプトの開発でわれわれが次のレベルと考えているものである」と言う。

研究チームの次の臨床試験は、小児科患者で行われる。次に、成人で一連の臨床試験に移行することを考えている。継続的な成功と資金援助により、チームはその血液モニタが、次の5~7年以内に利用できるようになると見ている。
(詳細は、https://www.ucf.edu)