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ソーラセル利用して高速水中ワイヤレス通信

April, 5, 2022, Washington--ソーラセルは、一般に光を電力に変換するために設計されているが、研究者は、それらが、高いデータレートで水中ワイヤレス光通信実現にも利用できることを示した。新しいアプローチは、連続接続ソーラセルアレイをディテクタとして使用し、水中データ伝送のコスト効果の優れた、省エネ方法である。

中国、浙江大学、研究チームリーダー、Jing Xuは、「世界の海洋保護活動で水中データ交換の必要性増に応えるために、効率的な水中通信に必要性がある」と言う。例えば、サンゴ礁保全の取組では、ダイバー、有人潜水艦、水中センサや無人自律水中船から、作業をサポートする海上の船へのデータ転送が必要になる。

Optics Lettersの論文で、研究チームは、水中の高速光検出に最適化されたレンズフリーシステムの実現に商用入手可能なソーラセルアレイを使ったラボ実験を報告している。ソーラセルは、ワイヤレス光通信でディテクタとして利用されている従来のフォトダイオードよりも遙かに面積が大きい。

「われわれが知る限りでは、大きな検出面積を持つ商用Siソーラパネルベースの光通信システムでこれまでに最高の帯域を達成した。このタイプのシステムにより、1つのデバイスでデータ交換や発電さえ可能になる」(Xu)。

ソーラセルを通信に最適化
無線、音響波の利用と比較して、光ベース水中ワイヤレス通信は、高速、低遅延であり、省エネである。しかし、ほとんどの長距離高速光通信システムは、水中実装には実用的でない。それらが、トランスミッタの出力光と入力光信号を検出するレシーバとの厳しいアライメントを必要とするからである。

ソーラセルは、大面積で光を検出し、それを電気信号に変換するので、それらをディテクタとして使用することで、水中ワイヤレス通信システムで、送信器-受信器のアライメント要件が簡単にできる。しかし、ソーラセルは、通信よりもエネルギー収集用に最適化されているので、高帯域達成が難しかった。

「これまで、市販のSiソーラセルを使う高速リンクは、複雑な変調スキームとアルゴリズムを必要していた。これは、余分なパワー使い、高い処理遅延となる強力なコンピューティングリソースを必要とする。接続されたソーラセルのモデリングとシミュレーションを使用して、われわれは周辺回路を最適化した。これは、われわれのソーラセルベースディテクタの性能を著しく改善した」(Xu)。

水中テスト
研究チームは、3.4×3.4㎝の検出面積を作るために3×3ソーラアレイ使用した新しい設計を、水中チャネルをエミュレートした7-m長の水槽でテストした。ミラーを使って光信号のパス長を延ばし、35メートルの伝送距離を実現。システムは、信頼できる安定性、低消費電力、高性能を示した。ソーラアレイのサイズが、1×1から3×3へ増えると、−20-dB帯域は、4.4MHzから24.2MHzへ増加する。

簡易変調方式が使われているが、新しいシステムは、ディテクタとして大きな検出面積を備えた商用Siソーラセルを使用する他の研究で報告されていたよりも、データレートが高くなり、遙かに高い検出帯域を示した。逆バイアス電圧90Vを印可することで帯域がさらに上がり、63.4MHzの−20-dB帯域達成が可能になる。この帯域は、振幅偏移変調(ASK)という最も簡素な方式を使用する35-m/150-Mbps水中ワイヤレス光リンクを可能にした。

「ソーラセルは量産されているので、提案方式は、非常にコスト効果が優れている。水中世界以外で、このタイプのディテクタは、可視光通信でも利用できる。これは、一種のワイヤレス通信で、LEDsや他の光源の可視光を使って、データを長距離伝送する」(Xu)。

水中通信で実世界アプリケーションにシステムを最適化するために研究チームは、次に弱い光信号でそのパフォーマンスを調べる計画である。これは、泥水や動く水でシステムがどの程度うまく機能するか示す予定である。チームは、アレイのソーラセルの数や必要な逆バイアス電圧などの主要パラメタを微調整することでシステムをさらに実用的にする取組を進めている。