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目のような適応型レンズ実現に電気反応液を利用

January, 24, 2022, Washington--中国、合肥工業大学の研究者は、アジビン酸ジブチル(DBA)という新しい電気反応液ベースのAdaptiveレンズを開発した。これは、電圧を印加すると焦点距離を変える。レンズは軽量、コンパクト、製造容易であり、モバイル電話カメラ、内視鏡、メガネやマシンビジョンアプリケーションに最適である。

合肥工業大学、研究チームリーダー、Miao Xuは、「人の目は、多様な距離で信じられないような速度で対象物に焦点を合わせる。この機能からヒントを得てわれわれは目のような適応型液体レンズを開発した。これは、DBA液体の形状を変えることで、光を分岐、集中するために利用できる」と説明している。

Optics Lettersに発表された論文では、新しいDBAベース適応型液体レンズは、重量がわずか数ミリグラムであり、優れた安定性ど高い光学性能を示している。DBAは透明、非揮発性で、安価でもあり、適応型液体レンズでの利用に理想的である。

「この種の適応型液体レンズは、いずれ従来の固体レンズ系に取って代わる。これにより、素早く焦点距離を変えるモバイル電話カメラが可能になる。薄さは電話そのものと同程度である」(Xu)。それは、機械的要素を全く必要としないので、この種のレンズは、磨耗することなく長年使うことができる。

液体をレンズに変える
研究チームは、電極をDBA液で満たすことで新しい液体レンズを開発した。これは、電極の内側表面が、撥水性層でコーティングされているので、ドーム形状である。直流を印可するとDBA分子がアノードに集積し、印可された電圧に応じて、ドーム形状を変えるので、焦点距離を変える。電界を除去するとDBA液は、その最初の形状を取り戻す。

DBAレンズは、商用入手可能なエレクトロウエッティングベースの適応型液体レンズに対して大幅な改善となる。エレクトロウエッティング液体レンズは、塩水のような液体を利用する。これは、金属電極から伝導性液体を分離するために誘電体膜を必要とする。

「われわれのDBA液体レンズは、揮発、電気分解の影響をうけない、DBA液は、電極に直接接触するので、絶縁層を必要としない。これによりDBAレンズは、エレクトロウエッティング液体レンズと比較して、簡素な構造になり、安定性が高まる(Xu)。

光学性能の実証
新しいDBAベース液体レンズの分析で分かったことは、それらが390~780nmの可視光で95%程度の光透過性があり、その性能は室温から200°Fまでの温度範囲で安定であること。印加電圧0~100Vで焦点距離が7.5㎜~13.1㎜まで変化すること、レンズの解像度は、ほぼ29ライン/㎜に達すること。

研究チームは、DBAベース液体レンズ駆動に必要な電圧を減らすことでその新しいレンズをさらに実用的にし、解像度を高め、反応速度をミリ秒オーダーに改善するするために継続して取り組む。また、より大きなレンズが作れるように、DBA液体に対する重力の影響を低減したいと、研究者は考えている。